SWAY
DOBERMAN INFINITY SWAYがDef Jam Recordingsより、11/1(水)にデビュー・シングル『MANZANA』を発売!
●HIP HOP界の名門レーベルDef Jam Recordingsからのデビューというタイミングなので、改めてSWAYさんのHIP HOPとの出会いのエピソードから教えていただけますか?
SWAY 「僕がHIP HOPと出会ったのは、中学時代にバスケ部に所属していたのがきっかけです。当時、NBAのフィラデルフィア76ersというチームにALLEN IVERSON(アレン・アイバーソン)という選手がいて、自分よりも背の大きなプレイヤーを巧みにかわして翻弄するんですよ。そんなスタイルも憧れではあったんですけど、彼のB-BOYファッションがとにかくかっこ良かったんです。しかも、IVERSONはラップもやってて、NBAの選手でありながらラッパーであることの衝撃も大きかったです。だから、僕のHIP HOPとの出会いと言えば、ALLEN IVERSONが原点です」
●そこからHIP HOPにハマッていくと思うのですが、その過程でHIP HOPから与えられたものとは何だったと思いますか?
SWAY 「考え方ですね。HIP HOPと出会う前は、がんばって勉強して親が望む大学に入って、大きな会社に就職してという生き方が理想だと思っていました。もちろんそういった生き方もすばらしいんですが、僕はHIP HOPと出会ってまったく違う人生を歩むことになりました。何も長続きしなかった僕が、唯一続けられたのがHIP HOPです。続けようと思って続けてきたのではなく、この世界にハマッてJAY-Zのようになりたいとか常に上を目指して来られたんです。僕にとってHIP HOPは、背中を押してくれるものであり、常に自分がポジティヴでいられるもの、人生そのものだと思っています」
●数あるHIP HOPレーベルの中でDef Jam Recordingsとはどんな存在ですか?
SWAY 「憧れですね。僕が高校生の頃にDef Jam Japanが設立された時は、かなりのインパクトでしたから。札幌の小さなクラブで遊んでいた自分がDef Jamと契約できるなんて、夢のまた夢でした」
●今回その夢を実現したわけですが、どのような経緯でDef Jam Recordingsからのソロ・デビューとなったのでしょうか?
SWAY 「今年9月にリリースさせてもらったDOBERMAN INFINITYとAK-69さんのコラボ曲で「Shatter」という曲があるんですけど、オファーをする時に僕が名古屋へ行ってAK-69さんとお話させていただいたんです。その時に余談でAK-69さんから「SWAYはソロをやらないの?」と聞かれたんです。「もちろんやりたいです!」と僕が応えたら、「Def Jamもまた日本に来たわけだし、SWAYにもチャンスあるんじゃない?」みたいなことを言っていただいた。そこでビビビッと来たんです。DOBERMAN INFINITYとして活動しながらソロをやることの意味が、Def Jamからデビューすることでつながる感じがしました。そこで東京に戻って企画書を作って、事務所の方にプレゼンテーションさせていただいたんです。その後もVERBALさんだったり本当にいろんな方に相談に乗っていただいて、今回のこの夢を叶えることができました」
●ソロ・デビュー・シングル「MANZANA」は、どのようなイメージで制作に入ったのでしょうか?
SWAY 「ソロをやるなら、DOBERMAN INFINITYとSWAYという、ふたつの世界を作っておきたいと思っていました。そこが少しでも重なってしまったら、ソロ・プロジェクトをやる意味がないというのが僕の考えでした。だから、今回のソロ・プロジェクトはSWAYがプロデュースする音楽ではなく、僕がリスペクトしているアーティストさんにSWAYをプロデュースしてもらうという企画にしたかったんです。DOBERMAN INFINITYはメンバー全員で歌詞や曲の世界観を作って自分たちで音楽をプロデュースしていますが、SWAYプロジェクトの場合はシナリオを僕が書いて、実際の作詞は別のアーティストさんにお願いするというスタンスなんです。今回で言えば、2曲目の「Lullaby」はSALUくん、3曲目の「La Vida Loca」はStaxx-Tくん、4曲目の「Acting Myself」はEXILE SHOKICHIに書いてもらっています。DOBERMAN INFINITYではやらないことだったり、SWAYじゃないとできないことを、このソロ・プロジェクトでやっていきたいと思っています。それをこのDef Jam Recordingsでやることが、凄い説得力になると感じています」
●今作の歌詞の中で、SWAYさんが気に入っているフレーズを挙げるならどの部分ですか?
SWAY 「最後のラップ部分を、すべてスパニッシュ(スペイン語)で韻を踏んでいるところです。ここは自分がアイディアを出してやらせてもらったところでもあります。あとは、〈赤いくちびるチープな嘘で塗っても 剥がれるわずか数秒で〉って歌詞です。このSWAYプロジェクトでは、ちょっとセクシーなHIP HOPも試してみたかったんです。DOBERMAN INFINITYって、男が持っている夢や野望、仲間、絆というものを大事に曲作りしているんですけど、それとは違う世界観を表現したいという気持ちもありました」
●今回のMVで意識したこと、ご自身発のアイディアなどがあれば教えてください。
SWAY 「実は僕も3年以上ダンスをやっていた経験があったので、このソロをきっかけにもう一度踊ってみようとトライしました。今作のMVでは、MABUくんっていう僕が凄いリスペクトしているダンサーさんに振りつけしてもらいました。最初は踊るのがちょっと恥ずかしかった部分もあったんですけど、MVを観てもらった人みんなと「MANZANA」を踊れたら、それこそ大成功のハンコを押せるなと思ってチャレンジしました。あとは、30代の男にしか出せないセクシーさも僕なりに意識しました(笑)」
●ソロ1発目の表題曲であり、新たなチャレンジも多かった今作「MANZANA」ですが、リスナーにはどのように聴いて欲しいですか?
SWAY 「僕の中では、どういう反応をもらえるんだろうっていうのが逆に楽しみです。だいぶチャレンジした曲でもあるので、もともとSWAYっていうアーティストを知ってくれている方が聴いたら本当に驚きがあると思いますし、知らない方が聴いても音楽的な新しさを感じてもらえると思います。僕の中でDOBERMAN INFINITYの力の入れ具合が120%だとしたら、ソロは80%なんです。それは別に手を抜くっていうわけではなくて、肩の力を抜いて人を包みこめるような音楽にしたいという気持ちの現れです。「MANZANA」でも、そんな抱擁感を受け取ってもらえたら嬉しいです」
●続いて、カップリング曲である「Lullaby」はどういう想いで制作したのでしょうか?
SWAY 「プロデューサーのSUNNY BOYと一緒にスタジオに入って、ゼロから一緒に作った曲です。いろいろメロディを考えている時に、〈Lullaby〉ってフレーズが聴こえてきて、「なんか〈Lullaby〉って絶妙にダサくてよくない?」という話になったんです(笑)」
●(笑)確かに最近はあんまり耳にしない言葉ですよね。
SWAY 「そうそう、昭和的な響きですよね。だったら〈Lullaby〉ってフレーズを使いながら、かっこいい曲が作れたらこっちのもんだと思ったんです」
●作詞はSALU氏が手がけていますが、どんな世界観に仕上がったと感じていますか?
SWAY 「例えば彼女とずっと一緒にいると、相手のクセや声が自分の癒しになったり、話さなくても意思が伝わったりするじゃないですか。そういう安心感や優しさみたいなものが、自分にとっての子守歌だっていう楽曲です。その子守唄が聴こえなくなった途端に、彼女の大切さに気づくことも多いと思うんです。そんな彼女に対する感謝の気持ちを、〈あの君のLullaby 今度は俺からのLullaby〉と歌っています。あと、この曲の歌詞で凄く面白いのが、俺と僕という表現が出てくるところ。その使い分けは、プライベートの自分が僕で、仕事をしている時の自分を俺と表現しているんですけど、つまりSALUくんは彼女に甘えている時にしか出せない表情を僕という歌詞で表現したと思うんです。この歌詞の世界観は、僕には絶対に書けないですね。こういった曲が歌えるのも、SWAYプロジェクトならではだと思っています」
●同じくカップリング曲の「La Vida Loca」についても解説をお願いします。
SWAY 「また「MANZANA」に続きちょっとラテンチックな楽曲で、東京のCRAZY LIFEを描いた曲なのでスパニッシュで「La Vida Loca」というタイトルにしました。僕も札幌から上京してきた人間なんですけど、東京で出会った人ってどこか気を張っていて、人に簡単に入られないように心の鍵をかけている人も多いと思うんです。でも、みんな同じように夢を持っている。だから、一緒に酒を酌み交わせば、一瞬で仲良くなれるのが東京の友達なのかなって思うんです。本名は知らないけど、あだ名で呼び合ってずっと一緒に遊んでいる仲間って、実は多かったりしますからね。そんな話を、作詞してもらったStaxx-Tくんと実際に呑みながらして歌詞を書いてもらった曲です」
●EXILE SHOKICHIさんが作詞した「Acting Myself」は、どんな想いを込めた楽曲なのでしょうか?
SWAY 「僕がHIP HOPというものに出会って、この音楽で夢をつかみたいと思った時からのシナリオを、EXILE SHOKICHIに渡して書いてもらいました。タイトル通り〈自分を演じる〉っていう曲なんですけど、自分の中には自分が複数人いる感覚ってありますよね。自分の背中を押してくれる自分、自分を守るための自分、自分を弱くする自分もいたり。なりたい自分になるためには、ずっと自分を演じていかなければならない。そんなことを曲にしたいと思って、プロデューサーのSUNNY BOYに誰に作詞をお願いしたらいいか相談したら、「札幌時代からずっとSWAYを見てくれているSHOKICHIくんに書いてもらえば?」とアドバイスをもらいました。そこで、EXILE SHOKICHIに作詞をお願いしたんですけど、ラップ部分は彼が書いた歌詞に対する僕からのアンサーになっています。そういった遊びをこの曲でやれたことも、個人的にこの曲が好きな理由です」
●ソロ・デビュー作となる今作で、EXILE SHOKICHIさんの作詞曲が収録されているのは、ふたりの関係性を知っているファンにはグッと来ると思います。
SWAY 「でも、最初はEXILE SHOKICHIの名前は伏せようと思っていたんです。EXILE SHOKICHIが書いた曲なんだって先入観を持って聴かれるよりも、純粋にこの曲を聴いて欲しかったんです。EXILE SHOKICHIが書いてくれた曲という以前に、僕にとっては地元の大切な友達が書いてくれた曲でもあるんです。ぜひクレジットを見ないで聴いてもらいたいですね(笑)」
●今作で表現できたSWAYの世界観とは、どんなものでしょうか?
SWAY 「今まで僕を見てきてくださった方は、確実にビックリする作品になったと思います。今日も実際にメイクさんに聴いてもらって、「え!? これSWAYくんですか?」みたいな驚きをいただきました(笑)。この挑戦をリスナーの方々がどう感じてくださるかが、逆に楽しみです。DOBERMAN INFINITYのファンの方々や自分のファンの方に喜んでいただきたいのはもちろんですが、音楽が好きな人たちにどんどん認めてもらえるような曲をこれからも作っていきたいと思っています」
●逆にソロとしての活動が、今後DOBERMAN INFINITYの活動にどのように影響してくると思いますか?
SWAY 「ソロで小回りを効かせて活動することで、DOBERMAN INFINITYでは獲れなかったコインを獲っていくことが、僕の役目なのかなと思っています。DOBERMAN INFINITYでは表せない世界観をSWAYで表現することによって、より多くの人に愛される音楽を発信していけるということは、DOBERMAN INFINITYの活動にも大きなプラスになると思っています。SWAYプロジェクトに対して快く背中を押してくれたDOBERMAN INFINITYのみんなの期待は絶対に裏切りたくないですし、期待以上のものを返したいです」
●今作が完成した今、ソロ・アーティストSWAYとして、どんな夢を抱いていますか?
SWAY「今回のソロ・デビュー発表の時に、〈ススキノ育ちの坊やが目指す“スーパースター” 〉って見出しをつけたんです。これって実は、『DOBERMAN INFINITY LIVE TOUR 2017 “TERMINAL”』のフリースタイル・セクションで使った、最後のフレーズだったんです。札幌のススキノにある小さな箱(クラブ)でSWAYとしてのキャリアが始まって、そこからでっかいステージに立つことを目標に活動してきて、今ようやく少しくらいはみなさんに夢を与えることができるアーティストになったのかなと思うんです。今回のDef Jam Recordingsからのソロ・デビューは、自分にとって凄く大きなステージ。だからこそSWAYとして、〈ススキノ育ちの坊やが目指す“スーパースター” 〉っていうものをここでしっかり成し遂げて、絶対的な自信につなげたいと思っています」
●最後に、今後はどのようにSWAYプロジェクトを進めていく予定ですか?
SWAY 「僕はラッパーだけじゃなくて役者やデザインもやらせていただいているので、そこで学んだことを音楽に落とし込みたいと思っています。だからこそ表現できる世界観を、ひとりのラッパーとして追求していきたいと思っているので、ぜひ期待していただきたいです」
interview:NOBUHIKO MABUCHI
CD情報
2017年11月1日(水)発売
「MANZANA」
【公式HP】dobermaninfinity-ldh.jp/