夏休み明けから子供が「学校に行きたくない」と言い始めた。そのような悩みを抱えている親御さんは多いと思います。実は我が家でも小学3年の息子が「学校行きたくない」と言っています。
うちの場合は、「先生が言っていることの矛盾」や「生徒の間違いは指摘するくせに教師本人は間違いをごまかすこと」。また、連帯責任として全体を叱ることに対して、息子自身は何もしていなくても心を痛めている、ということが原因のようです。
私自身も不登校を経験してきましたが、今回は不登校になりかけている、または「学校行きたくない」と言い出した、というご家庭に、解決するヒントをご紹介します。
〇悪を探すのではなく問題の原因を見る
いじめ問題や、学校での教育で問題があると、「誰が悪いのか」みたいな議論に発展しがちですが、たとえば「いじめは、いじめた子が悪い」ということで、その子を追放したところで、実は問題が解決するわけではありません。
いじめた子をひとり排除しても、また別の子がいじめっ子として浮上してくる可能性もありますし、いじめられていた側がいじめをする側になるのは、珍しいことではありません。
不登校になった子は、確かに“悪い存在によって突き落とされた”のかもしれませんが、見方を変えれば単に「その環境が合わなかった」だけとも解釈できます。転校したら、転校先で友達ができた、みたいなことはよくあります。
親御さんがすることは、いじめの犯人や、悪い教師を探して糾弾することではなく、子供が過ごしやすい環境へストレスなく移行してあげることだと思います。
〇しっかり原因も探ると解決策が見えてくる?
ただ、子供が「学校行きたくない」というのを、言葉の表面だけ読み取ってはいけません。まだ未熟な子の場合、単に受け止め方を間違えていたり、物事の一部を拡大解釈している可能性もあるからです。
たとえば「仲が良かった友達が、クラス替えで別のクラスに行ってしまったから学校に行きたくない」という子は多いのですが、大人になったときに「希望していた部署に配属されなかった」という理由で会社を辞める、みたいなことは安易ですよね。
学校に行きたくないのは、何が原因か。これを子供と同じ立場に立って、一緒に眺めてみて、あーでもない、こーでもない、と意見交換してみると、案外良い解決策が浮かびます。
〇子供にも「休み」は必要です
このままでは不登校になりそう。1日休ませたら、このままずるずると休んでしまって学校に復帰できないのでは?そう心配する親御さんも多いと思います。当然、数日休ませたからと言って問題が自動的に解決してくれることはありません。
ただ、ここで言う「休む」とは“日常から離れる”ことを指します。休日を使って、日常を離れてリフレッシュすることです。肉体的な疲労は体を休める必要がありますが、精神的な疲労は、ただ睡眠をとるだけでは取れません。
疲れがとれて、正常な判断ができるようになれば、新しい「第3の解決法」を子供自身が見つけ出すかもしれません。それでも「学校に行きたくない」のなら、ここは子供の人権を尊重して、一旦学校という環境から距離を置く必要がある、ということでしょう。