THE BACK HORN
Me2回目の登場!
Meの編集部はTHE BACK HORNの松田 晋二[Dr]にインタビューを敢行!
3月発売のMini Album「情景泥棒」について伺いました!
ーー3月7日発売の「情景泥棒」こちらの聴きどころについて伺えますか?
結成20周年というタイミングで、どういう風に盛り上がりを表現出来るのかなと思った時に、20周年目のバックホーンはこういう音楽なんだって伝えられる作品が出来たらいいなと思っていて、フルアルバムだと10曲以上の曲の中で、バラードがあったり、世界観が深い曲があったり、振り幅がバックホーンの魅力でもあるんですが、今回はもっとライブ感とか、バンド感みたいなエネルギッシュな部分を7曲に凝縮して伝えられる作品になったらいいなと思って作りました。
ーー制作期間はどれくらいあったんですか?
楽曲は、去年の頭から作り始めて、レコーディングは、年末にまとめてやったんですけど、最新の曲もあれば、昔から育ててきた曲とかも混ざってて、宇多田ヒカルさんと共同プロデュースさせて頂いたのが去年の今頃で、その前あたりから20周年のことは考えてました。
ーーレコーデイングはいかがでしたか?
「情景泥棒」という曲と、その続編があるんですけど、この2曲は色々と想像を膨らませて聴いてもらえる仕上がりになっています。7曲全部4番バッターを並べるやり方もあったんですけど、ちょっとバックホーンらしさというか、深い部分も入れたいなというところで、この2曲を前編、後編と今までにない形で作ったんです。レコーディングの現場では今までになかったような音色も入ってたり、新しい要素を足しながら世界観を作りました。
ーー制作中のエピソードなどありましたか?
今回、僕がジャケットの絵を描くことになって、その作業をレコーディングしながら同時に進めてたんです。ドラムを録ってひと段落したら別の会議室で朝方まで絵を描いて、またレコーディング、みたいな感じでした。ジャケットの絵を描きながらレコーディングしたっていうのは今までにない楽しさがありました。
ーー今回のジャケットは、松田さんの独創的な世界観が表現されてますね。
これ、やばいですよね(笑)元々バックホーンがインディーズの頃から自分達で絵を描いてジャケットや、ブックレット作ってたんです。20周年というタイミングで、他のメンバーも「マツの絵が表紙になったら久々にマツの絵が見れるって」盛り上がってくれるのかなって言ってましたね。
ーー12年ぶりの表紙とのことでファンの方も嬉しいでしょうね!
こういう絵が出来ましたってSNSで発信した時も「これは久しぶりにマツがヤバい絵を作ってきた」って盛り上がってくれたんで、みんなの興味を持ってもらえる提示は出来たのかなと思います。ブックレットの中身も描いてるんで楽しんでもらえたらなと思いますね。
ーー「情景泥棒」にはどんな意味が込められてますか?
いつもアルバムを作ってから、それぞれアイディアを出し合ってタイトルを命名するんですけど、バックホーンらしさとか、バックホーンが描く特徴をもう一回考えたんです。その時に、どの歌詞も、どの時代も、生きていく上での情景、景色とか光景よりも、自分の記憶の中で結びついているワンシーンという意味で、どういう信念を持って生きていきたいかが、色んな歌詞で各々4人が表現してて、情景って言葉はバックホーンに馴染み深い言葉だったんです。その「情景」っていう言葉と、「泥棒」ってうのが急に頭の中で合体したんです。「泥棒」って一見印象の良い言葉ではないですが、ものすごくロマンチックに感じる言葉でもあったり、「情景窃盗」だともものすごい警察24時のイメージしか思い浮かばないんですけど(笑)「泥棒」ってなった時にユニークな音葉だなって思い始めて、その二つが合体した時にバックホーンとして、ピンとくる言葉になったんですよね。
色んなものが便利になったり、簡単に欲しいものが手に入る時代になってきて、生きてく上ですごく便利な反面、これは自分の妄想なんですが、いつしか人間が何年も、何百年も経った時に、カプセル一個で”今日は睡眠を満たした欲求を味わいます”、とか、”寂しさを感じるカプセルで味わえます”とかそんな時代になったら、色んな感情とか、人と人とのコミュニケーションや、繋がりとか、もちろん悩まされたりも傷ついたりする時もあるけど、でもそれは俺たちが生きてるから味わえることなんですよね。「情景泥棒」っていうのは、もし盗まれたらっていう反対側の危機感としての捉え方もあると思いますが、その反対には今生きてる俺たちが、感じれるこの瞬間は大切なものなんだよってメッセージも込められてます。
ーーそんな意味も込めて「情景泥棒」の歌詞を書かれたんですね?
僕の歌詞自体もファンタジックな物語になっていて、音楽ならではの楽しみかなと思う部分もあって、歌詞をリアルに聴いて共感してもらえるのも魅力だと思いますが、自分の中になかったような何かを刺激するような部分も音楽にはあるなと思っていて、それが、今回の「情景泥棒」の楽しみの一つかなと思っています。
ーー続編の「情景泥棒〜時空オデッセイ〜」は、前編の世界観を引き継ぐような作品ですよね?
そうですね。ミニアルバムに必要な自分たちにしかできない深みを作る音楽として、栄純と僕の合作みたいな感じでこの2曲が生まれてきました。
ーー「情景泥棒」の初回限定盤にはライブ映像も収録されてますが、これもまたいいですね!
これ、すごく良いんですよ。自分達も気に入ってるんです。
ーー雨の中のライブもまた、いいですねー。
そうなんです。土砂降りの雨じゃなかったので、すごく良いライブだったなと思います。この特典映像も含めて見てもらえると嬉しいですね。
ーー4月6日には仙台PITでのライブがありますね。意気込みは?
9mm Parabellum Bulletとの2マンライブなんですけど、9mmのメンバーの中に宮城県出身がいて、2マンを何年かに一回やったり、お互いの対バンに呼んだり、交流を重ねてきているのですが、今回も最高のライブになればと思います。3月20日と3月24日のワンマンライブが東京と大阪であって、「情景泥棒」をたっぷりやるライブになりつつ、4月からは対バンになってるので、是非、来て欲しいですね!
ーードラムは体力も必要だと思うのですが、トレーニングなどされてますか?
他のメンバーは東京マラソン走ったりしてますが、福島チームはアウトドアじゃない部分があって、絵を描いたり、歌詞を書いたり、わりとインドアなんですけど、若い頃はジムで外側の筋肉を鍛えてたんですが、色んなドラム仲間と話したり突き詰めていくと、柔らかい筋肉がドラムのしなやかさとか、スピードとかに生きるっていうので、体幹を鍛えるとか、体の歪みを直すとか、最近はそっちの方向にトレーニングしてますね。
ーー筋肉があれば良いってわけじゃないんですね?
”ドラムの筋肉は必要か必要じゃないか説”は喧嘩になるくらい論争があるらしいので、人によっては筋肉だっていう人と、違うっていう人がいて、僕は30歳超えてから自分に必要な効率のいい体の動かし方みたいなのを考え始めたりはしましたね。外人の方の体は、日本人と体のつくりが違うので、どうしても日本人には勝てない音のデカさみたいなものはあるんですけど、逆に日本人にしか叩けないドラムの音色とか、プレイスタイルみたいなものもあると思っているので、洋楽コンプレックスを抱えてるよりも日本らしさも突き詰めていければ一つの武器になるのかなと考えたりはしてます。
ーー体が音楽というか、音が体を通るって言いますもんね。
まさにそうですね。ロック=欧米っていうイメージがあるので、プレイに関してもそういうとこからの影響があるんですけど、これだけ日本の音楽も細分化されて色んなものが出てきてる中で、対何かよりも、自分らしさが一番いいのかなと思ってます。
ーー最近ハマってることなどありますか?
絵を描くというのを10年ぶりにやって、プライベートで絵を描くのも楽しそうだなって思っていて、久しぶりに描いた流れもあるので、この熱が冷めないうちにもう一回やってみるのもいいいのかなって思ってはいますね。
ーーそのうち、松田さんの個展も見たいですね!
あ、仙台でね!でも、この絵を見たらかなり情緒不安定じゃないですか?(笑)僕、バンドやっててよかったなって思います。これ趣味でやってたら「あいつヤバいぞ」ってなりますよね。(笑)でも、やっぱ音楽はちょっとヤベーぞっ、一筋縄ではいかねーぞっていうのも音楽の一個の面白さでもあるんでね!
ーー松田さんは昔から絵を描かれてたんですか?
美術学校に行ってたわけじゃないんですが、平面の中にどうやって立体を出すかっていうのが絵の一つの魅力でもあり、難しさなんですけど、僕の場合、2Dの立体感のないこの中にどういう風に収めるかっていう作品が多くて、最近は、逆に立体感のある絵を描きたいなと思ってます。小さい頃から漫画を模写したり風景画を描いたりが好きだったんですけど、音楽をやるようになってから空想的な絵を描くようになりましたね。
ーー3月17日は「今を生きる~東北ライブハウス大作戦の起こした繋がり~」に出演されますが、どんな内容なんですか?
震災直後から東北の大船渡、宮古、石巻の3箇所にライブハウスを作ってそこにバンドが集まってきたり復興で盛り上げていこうってことで、「東北ライブ大作戦」っていうチームが立ち上げて盛り上げたんですよね。実際、石巻「BLUE RESISTANCE」と、宮古「KLUB COUNTER ACTION MIYAKO」、大船渡「LIVEHOUSE FREAKS」がオープンしてからずっと定着してツアーでライブに来るバンドがいたり、盛り上がっていて、震災があった3月に今の思うことをみんなで話そうっていうイベントになっています。
ーー今後の目標は?
バックホーンの20周年を皆と一緒に分かち合える1年にしたいですね。メンバーだけではなく、ファンの皆さんとか、全国のバックホーンを支えてくれたスタッフの方々と一緒に盛り上がれる1年にしたいなと思うので、それに全力を尽くすしたいと思ってます。
ーー仙台のファンの方や読者に向けてメッセージをお願いします!
仙台ではレギュラーのラジオ番組をやらせて頂いていて、ものすごくゆかりもありますし、1ヶ月に一回仙台に来たりとか、東京の次くらいに身近な街なので、もっともっと仙台の面白いとことか、いいところを見ていきたいなと思います。そして「情景泥棒」も聴いて欲しいなと思います!
CD情報
2018年3月7日(水)発売
Mini Album「情景泥棒」
ライブ情報
THE BACK HORN 20th Anniversary「KYO-MEI対バンツアー」〜情景泥棒〜
■日程:2018年4月6日(金)
■会場:仙台PIT
■時間:open18:00 / start19:00
■出演:THE BACK HORN / 9mm Parabellum Bullet
■チケット代:¥4,200-(税込・D代別)
■チケット発売日:2018年2月17日(土)
・チケットぴあ(P:105-661)
・ローソンチケット(L:21878)
■お問い合わせ:GIP
[TEL]022-222-9999(24時間自動音声案内)
イベント情報
THE BACK HORN 結成20周年記念サイン会〜情景泥棒〜
■日程:2018年4月7日(土)
■会場:タワーレコード仙台パルコ店 店内イベントスペース