働く女性を応援す仙台情報サイト「Me」

この夏、日本中が恋をする「君の名は。」神木隆之介×新海誠インタビュー

メインカット

出会うことのない二人の出逢い。

運命の歯車が、いま動き出す。

千年ぶりとなる彗星の来訪を一か月後に控えた日本。

山深い田舎町に暮らす女子高生・三葉は憂鬱な毎日を過ごしていた。町長である父の選挙運動に、家系の神社の古き風習。小さく狭い町で、周囲の目が余計気になる年頃だけに、都会への憧れを強くするばかり。そんなある日、自分が男の子になる夢を見る。見覚えのない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の街並み。念願だった都会での生活を思いっきり満喫する三葉。一方、東京で暮らす男子高校生・瀧も、奇妙な夢を見た。行ったこともない山奥の町で、自分が女子高校生になっているのだ。繰り返される不思議な夢。そして、明らかに抜け落ちいている、記憶と時間。二人は気付く。「私/俺たち、入れ替わってる!?」

神木隆之介(立花 瀧役)×新海誠(監督・脚本・原作)インタビュー

――神木さんは今回、主人公の瀧を演じるにあたり、どのようなことを工夫されましたか?

神木 入れ替わった時の声に気を付けました。女の子らしく、でもわざとらしくならないように。監督の作品は、セリフがすごくリアルなんです。男子高校生ならではの友達との、気を遣わないやりとりや、だるそうな話し方とか。そこを、実写で芝居をするときはこうかな、と考えながら演じました。

――監督は、映像にはどのようなこだわりがあったのでしょう?

監督 今回の作品は、まだ出会えていない二人が出会う話なんです。出会えていないのに、お互いのことを知っていく。相手のことを直接知るのではなく、相手を囲んでいる風景や環境によって知っていくんですね。お互いを囲んでいる風景を見て惹かれあっていくお話なので、彼らが目にするお互いの住む風景を美しく描いています。

神木さんweb

――日本屈指のクリエーターが集結した作品となりましたが、一緒にお仕事をされてみていかがでしたか。

監督 何かを突き付けられるような感覚でした。特に安藤雅司さん。彼はスタジオジブリ作品に長年携わっていて、僕たちからすると伝説級のアニメーターなんです。あれだけの技術がある方なのに、一枚の絵を描くのに何枚もラフを重ねて、一日が終わるころには、ごみ箱に大量の絵が捨ててある。それを会社に来た時から、帰る瞬間までほとんど席も立たずにずっとやっているんです。衝撃でしたね。

――今回神木さんは、ビデオコンテで練習したとうかがいました。

神木 ビデオコンテには、キャラクターに監督の声が仮で充てられていたんです。いい声だなと、見入ってしまいました。瀧と三葉ってこういう話し方なんだなというのがすっと入ってきて、そのおかげで役作りもしやすかったです。

――もしお二人が入れ替わるとしたらどんな異性と入れ替わりたいですか?

監督 上白石さんは興味がありますね。大学生じゃないですか。

神木 確かにそうですね。僕は大学に行っていないので、日々妄想で大学生活を描いています(笑)。想像するに、大学ってサークルというイメージがあります。こんなサークルを作りたいとか、そういうことをずっと上白石さんに話していました。高校生なら、クラスの中心の女子になりたい(笑)。すべての男子を惚れさせたいです。

監督 何を目指しているんですか(笑)。

――神木さんは新海監督の大ファンだとうかがいました。一緒にお仕事されて、みていかがでしたか?

神木 嬉しかったです。ファンとして次回作を楽しみにしていたので、まさか自分が携われるとは思っていなくて。なのでお話を頂いたときはうまく把握できなくて、徐々に「ああ、監督の作品に携わっているんだ」と思いました。監督の描いたモノローグを言えることは、すごく幸せでした。

――前半は入れ替わりによるコミカルな展開が楽しいですが、後半は一転してシリアスになりますね。

監督 ただ入れ替わるだけじゃないものにしようと思っていました。入れ替わりものの基本はジェンダーの話なんです。男らしい女の子、女々しい男の子。でも現代では、それこそ神木さんが体現されているように、男の子であっても女性的な魅力も持ち合わせていたり、その逆もありえるようになった。だから、そこを取り上げるのではなくしようと。

――一番自分に近いと感じる登場人物は?

神木 好きなことを話している時のテンションは三葉に近いと思います。普段は瀧かな。…7:3で瀧:三葉です。

――監督は、アニメーションに力を注ぎ続ける上で、常にどういったことを心掛けているんでしょう?

監督 アニメーションって、どうしてもキャラクターのイメージが強い。でも僕は、その人を囲んでいる風景や環境も含めた全てが好きなんです。風景そのものに書き手が意味を明快に描き込めることができるのがアニメーションなので、きれいに見せたいときは、きれいに描くことができる。それが絵の力だと思います。アニメーションは、物語やメッセージを伝えるのにすごく優れた器なので、もっと色んなことを伝えていきたいですね。

監督web

――神木さんは、声優と役者の違いをどういったところに感じましたか?

神木 役者はある程度表情や表現が自由にできますが、だけどアニメはすでに決められた的や表情があって、しかも声だけでそれを表現しなければいけない。収録中はノイズが出るとマイクが拾ってしまうため、あまり動けないんです。そこが圧倒的に違いを感じる部分です。でも監督の作品は、実写に一番近いアニメだとずっと思っています。感情が滑らかに、しかも小さく変化していく。そしてその変化した瞬間に発する言葉にリアリティがあるんです。それを表現するために、ノイズにならない程度に全部動いていました(笑)。

――監督は、神木さんや上白石さんに対して、なにか演技指導などはされましたか?

監督 特にはないですね。ビデオコンテを何度も見てキャラクターのイメージを広げてくださったので。でも、声の色づきについては、お話ししました。アニメーション特有の、カラフルな声のトーンではなく、落ちついたトーンに近づけつつ、それでも疾走感のある作品にしたかったので、少しカラフルに持ち上げて。上白石さんは、神木さんの作品を見て研究したっておっしゃってましたよね。

神木 そうですね。「一番男らしい作品はなに?」と聞かれて、二日考えました(笑)。それで、「11人もいる!」という作品を勧めました。

――神木さんは、上白石さんとは役作りではなにか話し合いなどはされましたか?

神木 特になかったです。僕は、中身が三葉な時は上白石さんの演じる三葉を想像しながら、その音にただひたすら向かっていました。わざと滑らかでないように話したら、完璧ではない感じが出てかわいいだろうな、とか。

『君の名は。』 全国東宝系にて2016年8月26日公開!

監督・脚本・原作/新海誠

キャスト/神木隆之介、上白石萌音、長澤まさみ、市原悦子、成田凌、悠木碧 ほか

【宮城県内上映劇場】

TOHOシネマズ仙台
MOVIX仙台
MOVIX利府
109シネマズ富谷
チネ・ラヴィータ
イオンシネマ石巻
イオンシネマ名取
シネマ・リオーネ古川

公式情報

公式サイト:http://www.kiminona.com/index.html

公式ツイッター:https://twitter.com/kiminona_movie

この記事を書いた人
salt
宮城生まれ山育ち。 メタル、アニメ、写真が好き、趣味でイラストと写真撮ってます。 サブカルネタをお伝えしていきたいです。
トップへ戻る