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虐待から目を背けない…自分が加害者にならないために知っておくべきこと(6)

児童相談所には、年間10万件の相談が寄せられていて、今この時間もどこかで親から虐待を受けているこどもがいると思うと胸が痛みます。

私自身も親から虐待を受けて育ったひとりですが、大人になったから心がラクになったか、と言えばそんなことはなく、生きているだけで「存在を咎められているような感覚」は今も消えません。

中には「自分のこどもに虐待連鎖してしまうのではないか」と恐れている人がいます。前回に引き続き、自分が虐待の加害者にならないために知っておくべきことをご紹介します。

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【虐待連鎖を止める…虐待という知識を武器にして】

「私も昔虐待を受けていた」という人は多く、さらに「身体的虐待はないけど、愛された記憶がない」という人も含めると、相当数の人が虐待被害者かもしれません。

そのため「こんな大人が親になる資格はない」と結婚を諦めてしまうパターンや、こどもを望まないパターンも多いようです。確かにそれは個人の自由ですが、ほんとうに虐待は連鎖するのでしょうか。

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実際、虐待を過去受けていた人でも、自分の家族を作ってこどもに虐待することなく暮らしている人はたくさんいます。つまり、すべてが連鎖するわけではありません。

では、虐待がなぜ連鎖してしまうのか。これは“虐待の自覚を持たない人が無自覚で子育てを行うことによって連鎖するから”ではないでしょうか。

虐待を受けていながら、その事実に無自覚な大人が、知らずに親になった場合、自分の親から受けた虐待を「教育だ、私もこうやって育てられた」として、自分のこどもにも行います。これが連鎖です。

しかし、「私は虐待を受けた、虐待は良くない」と自覚している人であれば、何が虐待になるのかを知っているので、あらかじめ誰かに相談するかもしれませんし、暴力を振るう前にこどもと距離を置くことだってできるかもしれません。

重要なのは「どんなことをしたら虐待なのか」を知識として知っておくことだと思います。

また「自分もあの親の血を引いているから、怒ると歯止めがきかないし、ヒステリックになってしまう」のだとしたら、それは専門医の指導を仰ぐべきでしょう。

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自分の感情をコントロールできない、という場合、ただの性格の問題ではなく、何かしらの疾患が考えられる場合もあります。

過去に虐待をされたことによる精神的疾患があって、それが原因で子育てに影響する場合もありますが、だとしたらやはり積極的に周囲の手助けを仰ぐべきでしょう。

子育ては自分ひとりでするものではありません。「もっと頼ってほしい!相談してほしい!」と両腕を広げて待っている人はたくさんいます。

そういう人に思っていること、考えていること、感じたことをどんどん打ち明けて、子育てをオープンなものにしていけば、虐待が連鎖することはないでしょう。

(7)へつづく

この記事を書いた人
福永知世
1983年青森市生まれ、宮城学院女子大卒。福永緑丸名義で共著『怪談実話コンテスト傑作選 痕跡』(メディアファク トリーMF文庫)がある。http://milkgraph.web.fc2.com/
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