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ママが女友達に話す「子育て大変」エピソードには、2つの意味が込められているんだよ…

いわゆるガールズトークの延長で女友達とのランチ中でも自然と子育ての話題を出してしまう私は、母親としての呪縛に憑りつかれているのだろうか。

ましてや独身者や子育て経験のない友達から「子育て大変?」などと切り出された日には、普段胸に溜め込んでいるあれやこれやを放出せずにはいられない衝動がむくむくとわいてくる。そして思わず「この前なんか夜泣きが激しくて全然寝てくれなくてさぁ…」なんて愚痴とも苦労自慢ともとれる話をし始めてしまうのだ。

女友達に子育ての話をするとき、決まって大変なエピソードを披露しなければという心理が働くことがある。これは彼氏のいない友達の前で恋人との惚気話をするのが誰も得をしない無益なことであるように、子どものいない友達に進んで「子ども可愛い可愛い」と言いすぎるのはどうなんだろうと私が勝手に思っているからだ。

しかし最近、新婚ほやほやの女友達と子育ての話題になったとき、私がいつもの「子育て大変」エピソードをすると友達の表情が徐々に曇っていき、しまいには「私に子育ては向いてないかも…」なんて言い始めてしまったから大変!夫婦にはそれぞれの考え方があり産む産まないの自由はあるけれど、私は何も「子育ては大変だからやめた方がいい」と思っているわけじゃない。私が子育ての大変さばかりを前面に出すから、彼女にネガティブなイメージを一方的に与えてしまったらしく、その後私は猛反省した。そうじゃない、私が本当に伝えたかったのは、そんな暗いことばかりじゃないんだよ!と声を大にして訂正したかったけれど、結局気の利いたことは彼女に言えず「どんなにつらくても、可愛い子どもの寝顔を見れば嫌な気分も吹き飛んじゃうけどね…」と棒読みのセリフを言ってお茶を濁した。完全にリカバー失敗である。

まだ子どものいない女性たちにはぜひともこの複雑なママ心を察してほしい。子どもを授かって不幸な女性はそうそういない。しかし子育ては好調なときと不調なときの落差が激しいので、どうしても幸せアピールをしたくないがあまりに極端な不幸アピールに走ってしまう傾向がある。これを日本人の美徳とも言うべき謙虚さだと思って許してほしい。ママたちは確かに寝不足になりながら日々野生児と格闘しているわけだけれど、その食べちゃいたいくらいの天使な笑顔に心を溶かされているのも事実なのだ。

要は「大変」と言いつつ、子どもとの時間をママは思い切り満喫していたりする。それをちゃんと言葉で伝えられたらいいのだけれど…。

この記事を書いた人
齋藤 惠
2015年8月から執筆活動を開始。 専業主婦として家事と子育てが生活のメイン。合間にのんびりとコラムを書く毎日。 金融機関に勤めていたことから金融知識や社会保障についての執筆・取材依頼が多い。 他にも恋愛、結婚、育児、旅行など執筆ジャンルは多岐にわたる。
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