前編・中編に続いて、今回は後編です。気がつかないくらい些細なことかもしれないけれど、体臭には“今の健康状態”が反映されているものです。
甘酸っぱい匂い?異臭?それらは、体が危険を知らせているのかもしれません。これまで、ケトン臭・アンモニア臭・脂臭などについてご紹介してきました。
今回は、自分ではなかなか気づかない「魚臭症」(トリメチルアミン尿症)についてご紹介します。
1、魚が腐ったニオイ
「そんなのさすがに自分で気が付くよ!」と思うでしょうか? 実は意外にも、体臭・口臭は自分では気がつかない場合が多いようです。
また、ニオイを感じていたとしても「お風呂できれいに洗おう!」とか「食後は必ず歯磨きしよう!」とう対処しかできないのが実態。
つまり、「クサイ…じゃあニオイだけなんとかしよう」としてしまうのが、ほとんどではないでしょうか。しかし、この“魚が腐ったニオイ”は、表面をなんとかしても意味はありません。
「魚臭症」(トリメチルアミン症)は、体内のトリメチルアミンが分解されず、毛穴から外に出てしまう病気。
要因は様々で、先天的にトリメチルアミンを分解する酵素を持っていない場合や、肝機能低下・肝機能障害などによって後天的に欠落してしまった場合など。
「魚が腐ったようなニオイをふりまいて歩く」とは想像するだに恐ろしいですが、実際、誰にも指摘してもらえず、自分でも気が付けないまま生活している人はいます。
この病気は、根本的な治療法はありませんが、食事療法で大きく改善できるそうです。
「お風呂に入ってない」「歯を磨いていない」というわけではないのに、クサイと言われる…なてことがあれば、この病気の疑いもあるので、医療機関を受診してみましょう。
2、ほかのニオイで誤魔化さないで
よく「私、体臭ひどいから!」と、香水で誤魔化したり、強い香りの柔軟剤を使ったりと、“良い匂い”をつけている人はいますが、そもそも健康な人は何もつけなくてもくさくありません。
電車に乗って、いろんな人の“誤魔化しの匂い”を嗅いでいると、そっちの方がクサイな!とすら思います。
部屋の匂いが気になるから!と芳香剤を置いて、ファ●リーズで消臭し、香水を使っていては、本来の自分の匂いがわからなくなってしまいます。
今、汗をかくこの時期、是非、自分の汗のニオイの奥にある体臭に気をつけてみてください。もしかしたら、そのニオイが危険信号になっているかもしれません。