既卒、つまり、卒業してから一度も正社員経験のない人の就職活動は、新卒や中途採用のそれに比べて過酷なことをご存知ですか? それでも働いていかなければならない、そのためは、採用担当を惹きつける履歴書の書き方のツボをしっかり抑える事です。
そこで、既卒者ではありませんが何度か転職をした私の経験から、そのポイントを3つに絞ってまとめてみました。5枚以内を目標にした「決める」ポイントです。だって、履歴書書くのめんどくさいんだもの!
既卒者の履歴書心得1・免許/資格欄はガンガン「盛る」べし
履歴書には必ずある「免許/資格」欄。ちなみに私は、車の免許さえ持っていません(愛車はマリオカート)。いつも真っ白なこの欄を徹底的に盛って、真っ黒に染めてきました。ただし、当然のことながら「盛る」と言っても嘘はダメです。では、具体的にどのように盛るのか。
あなたには、今までのアルバイトや派遣経験(あればですが)で、培ってきたものがあるはず。免許や資格といった証明書はないけれどできること。既卒の現場経験は、新卒にはない強みです。
例えば、「OAスキル」と題して、ソフト(Wordなど)を挙げ、それで何ができるか、どこまで使いこなせるかを盛り込めば、資格はなくとも同様に扱えますというアピールにつながります。なんか上の画像の盛る欄が狭くなってしまったのは気にしないで下さい。本当はあと2~3行あるはず、そこをみっちり埋めて下さい。
また、働いた経験がない場合。上記のようなスキルがあるのならそれを書けばいいし、それに加えて「○○を勉強中です」と盛るのもテクニックのひとつです。「遊んでいたわけではない」というアピールになります。ただし、繰り返しますが嘘はダメ。書いたからには、本当に勉強して下さい。
既卒者の履歴書心得2・自己PR・志望動機はこう書く
毎日相当数送られてくるだろう履歴書を、隅々までじっくり読んでいる採用担当者はごく稀です。ですが、「志望動機」を無視する担当者も、またごく稀でしょう。履歴書の顔は写真にあらず、この「志望動機」欄であると言っても過言ではありません。
さて、ただでさえ不利な既卒者は、ここにも手を加えなければなりません。とは言っても、特別なことを書けというわけではなく、「何故この会社を選んだのか」「採用されたら何ができるのか」を、実際に社員になったつもりでしっかりイメージし、具体的に書き込めば良いのです。前者にはむしろ、「何故この会社じゃないとダメなのか」くらいの情熱があった方がいいかもしれません。
それと、NGワードをひとつ。「勉強させて下さい」はダメ。会社は学校じゃありませんし、何より即戦力を望んでいます。いくら応募概要に「未経験者歓迎」と書かれていても、それは新卒、第二新卒に向けられた建前であって、既卒には甘くありません。既に社会経験があるとみなされている既卒が、今さら「勉強させて下さい」などとは失笑モノ。つい添えたくなる一文ですが、やめた方が賢明でしょう。
既卒者の履歴書心得3・意外と大事な顔写真
履歴書を開いて第一にパッと目に入るのが顔写真です。履歴書の上で「人は見た目が9割」とは言いませんが、やはり大事なファクターであることは明白。皆さんは履歴書の顔写真をどこで、どんな格好で撮影しますか。
これはもう言わずとも、「写真館で」「スーツ姿で」が常識的な撮り方でしょう。いまだにスーパーの脇にあるような簡易撮影機(下写真)で撮った写真を貼る人も多い(最近の物は、かなり性能が良いらしいですね)ようですが、それでもちゃんとした写真館で撮ったものと較べると違いは明白です。
一番の違いは、撮り手が機械か人間か、ということ。自動音声で指示を出してくるだけの撮影機と、こちらがどのような目的で、こんな風に撮って欲しいと要望を伝えられる上、さらに修正までしてくれる写真館の技師では、どちらが良い写真を撮ってくれるでしょうか。
もちろん、撮影機の3倍くらいの料金が掛かりますが、履歴書は「一期一会」の世界です。ただでさえ不利な既卒者は、履歴書をこれ以上ない、ある意味芸術的な作品に高めてこそ初めて、ライバルと同じラインに立てるものと心得て下さい。
既卒者が勝ち残るための履歴書・おさらい
いかがだったでしょうか。仙台に限らず、既卒者の就職事情はどこも年々厳しくなってきています。たとえこの先雇用が増えたとしても、それはおそらく変わらないでしょう。全くの新人でもない、中堅でもない…企業から見た「既卒」という肩書きは、何かと中途半端に移りがちなのです。故に、最も損なポジションであると言えます。
だからこそ、上記3つの心得、「免許/資格は盛る」「社員であることをイメージした志望動機」「最高の顔写真」をキッチリ抑えて、最高の履歴書を作成してみて下さい。まずはここから始まるのですから。
というか、何十枚も履歴書を書くなんて、そんな恐ろしい手間を惜しむためらなら手段は選ばないぜ!、くらいの勢いで頑張って下さいネ。ちなみに、あくまでも経験談なので保証はできません(←この一言、大事)。