藤城清治さんの影絵をご存知ですか
どこかでご覧になられたことがあるかもしれないですね。
とてもきれいな影絵ですが、これを作成なさっているのが藤城清治さんです。
その作成の仕方はすべて手作業。
一度私もテレビで拝見したことがあるのですが、とても気が遠くなりそうな細かい作業。
カッターの刃を使って木枠に貼ったトレーシングペーパーを切り抜いていきます。
裏から透ける色はセロファン。
そこに似合うセロファンを選んで貼り付け・・・を繰り返していきます。
そのセロファンの枚数は数枚から数十枚にもわたります。
その作業の結果生まれたこの作品をごらんください。
(広島原爆ドーム。そこに希望を抱けるような少年と少女が描かれています)
(奇跡の一本松です。)
この2つの作品はなんとなく「どんなにつらい状況でも希望があるよ、見守っているよ」と語りかけているように思えませんか?
藤城さんの作品を仙台で見ることができます。(常設)
この藤城清治さんの15mにもおよぶ大作を仙台で見ることができます。
15メートルの中に2300匹の魚が描かれているもので、藤城さんが輪郭をすべてお一人で切り抜かれたものです。
少し長いですが、この大作を作るにあたっての藤城清治さんの言葉を引用しますね。
横15mという壁画はもちろん、ぼくも初めてのことです。つくるなら50年、100年、200年と後世まで残るような価値のある作品を作りたいと思ったのです。それには、目先の面白さや物珍しさ、動きの仕掛けなどにあまりとらわれない方がいい、そして、壁画として自分の最高の記念碑的作品をつくりあげたかったのです。ぼくのこういった提案をすぐ受入れてくれて、何の注文もつけず、任せてくれたことを非常に感謝しています。
一番重要なことは、単に作業員が分担してきれいごとにつくりあげたというものではない、一人の人間を中心に生命をかけてつくったという人間の生々しい気迫、あるいは毒気こそ大事だと思ったんです。スタッフは7名で、15日間で仕上げるスケジュールを組みました。この大画面に、魚だけでも全部で約2300匹になりました。この2300匹はもちろん、網の目のように細かい珊瑚や藻も、すべて輪郭は自分一人で切り抜きました。
スタッフたちには、魚の陰影のグラデーションや色貼りをしてもらいました。このグラデーションも全部の魚につけたので、大変な作業です。それでもみんなは、毎日夜12時頃には切りあげてホテルへ帰して寝させましたが、ぼくは一人現場に残って徹夜で切り抜いていきました。ぼくは15日間でホテルに帰って寝たのは、最初の一日目と最後の一日だけでした。スタッフがあまりにも顔も手も真黒できたないというので、途中、昼間に一回だけ帰ってシャワーをあびました。ぼくは2300匹すべての魚に、一匹一匹生命を吹き込んで、祈りをこめて切り抜いたつもりです。
いかがですか?
この作品に対する藤城さんの気迫、思いが伝わってくる言葉ですね。
ほかにも「海」をテーマにした作品が数多く展示されています。
まだごらんになっていない方はぜひ間近でご覧になってみてはいかがでしょうか?
場所は鐘崎笹かま館の2階です。
アクセス
住所 〒984-0001 宮城県仙台市若林区鶴代町6-65
車で行く場合
仙台駅から約20から30分
東北自動車道 仙台宮城I.Cから約40分
東北自動車道 仙台南I.Cから約30分
東北自動車道 泉I.Cから約30分
仙台東部道路 仙台東I.Cから約5分
バス
仙台駅西口バスプール 4番乗り場(300・310系)乗車、「卸町東五丁目北」下車 徒歩0分
※所要時間:約20~25分(交通事情等により異なります)
(画像:ブログ「Welcome to Shelly’s room」)
(出典:画像:鐘崎 藤城清治)