なぜかやめられない過食。ついついお菓子に手が伸びる。でも太りたくないし、気がつくと食べることばかり考えてしまう。
摂食障害の入口に立って、罪悪感に苛まれている女性は多いようです。ストレスか、不安か、食べずにはいられないこの衝動を、抑える方法はないのでしょうか。
前回は「食べることを肯定する」という方法をご紹介しました。今回は第2回ということで、「空腹を満たす別の方法」についてご紹介したいと思います。
1、空腹なのは“お腹”ではない
空腹感を感じると、通常「食事をしなくちゃな」と思います。しかし、実際は「お腹が空っぽになったから空腹感を感じている」のではありません。
体が栄養を欲していて、脳がそれを感知します。「栄養が足りてないぞ、なんか食べろ!」という命令を脳が出し、私たちはそれを“空腹感”と捉えます。
「甘いものが食べたいな」という時は、脳が「糖分が足りないんだよ」と言っているということですし、「しょっぱいものが食べたいな」というときは、「塩分をくれ!」と言っている、ということです。
ところで、この“過食”に関しては、やはり脳が「なんか食え」と命令しているわけですが、体の栄養分が足りない、ということではないようなのです。
お腹が減っているのではなく、「別の何かが不足している」ということ。これは、その人によって様々です。
愛情を欲しいている場合、人との触れ合いを欲している場合や、仕事上で人間関係がうまくいっていない、時間がなくて趣味に没頭できない、就活がうまくいかない、睡眠が足りていない、などです。
2、心を満腹にする方法
たとえば、「親に愛されたい」と思っている人が、空腹感を感じて、一生懸命ご飯を食べたって、きっと一生満腹感を感じることはありません。
そのうち、お腹がいっぱいになって苦しくなって、もう食べられないと泣きながらも、ご飯を口に詰め込むことになるでしょう。これでは、何も解決しません。
過食というのは、「食べることをどうにかすること」ではありません。「本当に減っているのは、お腹ではなくどこなのか?」を明らかにすることが解決の糸口です。
たとえば、私は去年まで、夕食後になんとなくお菓子をつまんでしまう日々が続いていましたが、あることをはじめたとたん、パタリと食欲が落ち着きました。
それは、お絵かきでした。元々、漫画などを描くのが趣味でしたが、子育てや仕事、家事が忙しく、趣味に没頭できる時間がありませんでした。
しかし、なんとかスケジュールを調整し、子供が大きくなったというのもあり、夜の自由時間を手に入れました。その数時間で、お絵かきをするようになると、気持ちが満たされるようになりました。
私が本当に欲しかったのは、この「絵を描いて、完成させて満足すること」だったのです。下手だけど頑張ったじゃん!うまく描けたじゃん!と、自分を褒めることだったのです。
仕事も家事もちゃんとやろう、趣味の時間が欲しいなんてわがままだ!…そんなことを思っていると、結局どこかにツケが周り、自己管理ができない、ということに繋がります。
「本当に空腹なのは、お腹じゃなくてどこなのか」これは、今ちょっとだけ周囲を見渡せば、ヒントは近くに落ちているかもしれません。
(3)へつづく。