目標を達成できる、仕事で成功する。これは運でしょうか、実力でしょうか。または、両方必要なのかもしれません。
しかし、始める前から「ダメだったらごめんね」とか「たぶんできないと思うけど」と触れ回って、できなかったときの衝撃をやわらげようとしても逆効果かもしれません。
今すぐ使える行動心理学ということで第一回は「アンダードック効果」、第二回は「ツァイガルニク効果」、第三回は「ハロー効果」、第四回は「ブーメラン効果」、第五回は「一貫性の原理」についてご紹介しました。
第六回の今回は「宣伝効果」についてご紹介したいと思います。
1、宣伝効果
達成したい目標があるとき、頭の中ですることはなんでしょうか。おそらく、成功するビジョンとか、達成したときのビジョンを具体的にイメージするのではないでしょうか。
受験生が、部屋に「東大合格!」と書いた紙を貼ったり、格言を見える場所に貼ったり、塾などでは全員で「絶対合格するぞー!」と掛け声をしたり、ということがあると思います。
実はこれ、案外バカにできない行動で、「私は●●します」と周囲に宣伝することによって、実現させてしまう、ということが実際あります。
「やればできる!」と自分に言い聞かせる効果もあるのですが、どちらかというと、自分の逃げ道や選択肢を奪い、道を一本化するという方法に近いかもしれません。
たとえば、「来週の試験で合格する!」と宣言した場合、みんな「頑張って!」と言ってくれます。すると、合格しないわけにはいかないので、必死に勉強します。
成功する、目標を達成する、という場合、必要なのは、いかに具体的に成功したビジョンを頭に思い描いて、そこまでモチベーションを保つことが出来るか、です。
負けて悔しい思いをする、ということは見ないで、目指す方向に一直線に走った方が成功する確率が上がります。
東大合格だって、運より実力や努力。つまり、いかに集中して勉強できるか、というところが重要。勉強に集中するためには「合格した姿」を想像して、モチベーションを上げていかなければなりません。
2、崖を登るとき足元を見ない
崖を登るとき、足元をみると怖くなります。そのため、進む方向だけを見て登っていくといいのですが、人はなぜか来た道を振り返って、怖くなってしまいます。
この宣伝効果とは、「足元を見るな!前だけ見ろ!」と自分に言い聞かせることです。そして、それに「周囲の視線」も利用する、ということです。
勝手に「できなかったらどうしよう」と不安になって、「やっぱ達成できなくても許してね」と逃げ道を作ってしまうと、「リタイアしてもいいや!」と思ってしまうものです。
どんどん「私は●●します!」と宣伝して、目標を掲げてモチベーションを上げながら実行していきましょう。
(7)へつづく。