他人だからこそ気づいてしまうところ、ってありますよね。会社の後輩のあの子、いつも失敗するけど、たぶん本人は「なぜ失敗するのか」気づいていない。
または、いつも失恋しているあの子、「なぜ悪い男に振り回されるのか」気づいていない。それをその人にまっすぐ伝えても、本人の心に届かない。そんなとき、あなたはどうしますか?
遠まわしに伝える?なんとなく態度で示す?それとも、「気づかないもの」として放置する?ということで、失敗を繰り返すあの人に「ダメな部分」を直してもらう方法についてご紹介します。
〇いつも失敗を繰り返す後輩のあの子
新入社員で入ってきた後輩。いろいろ面倒を見てあげなければならないし、仕事もどんどん教えていかなければならない。わずかに前進しているけれど、まだまだ使い物にならない。
毎日のように失敗するし、失敗すればするほど緊張が増して、次の失敗を誘発している様子。真面目なのはいいけど、これじゃあ長続きしなさそう…という経験、ありませんか?
この場合、失敗を指摘する方だって辛いですし、きっと本人も辛いことでしょう。そのため、ここで「なぜあなたは失敗するのか」を切々と説いたところで、本人は「怒られている」と感じるのではないでしょうか。
〇「気づき」は本人が自分ですること
この“失敗の理由を自覚する”という作業は、残念ながら他人が代行してあげることができません。「あなたのここがダメなのよ?わかる?」と言われても、本人がそれを否定してしまっては、気づきにならないからです。
また、気づかせてあげようと画策し、周囲で何かしらアクションを起こしても、このような失敗を繰り返す後輩は、「周囲に迷惑をかけている」「煙たがられている」と悪い方にとってしまいます。
そのため、童話の「北風と太陽」のように、旅人(後輩)の着ているコートを脱がせようと、周囲の人間が一生懸命強い風を当てたところで、一向に脱ごうとはしません。
〇まずは本人の話を聞いてあげよう
この“先輩と後輩”という関係の場合、まずは本人が失敗に対してどのように向き合っているのか、話を聞き出すことからはじめましょう。というのも、後輩という立場から、普段言いたくても言えないことや、言い訳なども溜まっているからです。
心の中に「何か伝えたいこと」がいっぱいになっている状態では、自分の本心を見る余裕がありません。そのため、できるだけ可能な限り、本人が言いたいことを言える環境を作ってあげましょう。
もちろん、生意気なことを言うかもしれませんし、会社に対しての不満もあるかもしれません。誰か特定の個人に対しての不満や、子供じみた言い訳もあるでしょう。それらを全部まるごと受け止めて「そうなんだね、そうかそうか」と理解してあげること。
それによって、やっと振り返って「なぜダメだったのか」を考える余裕が生まれます。仕事の合間に…とは言っても、時間に余裕はあまりないかもしれませんが、「失敗ばかりするからダメな人材」と切り捨ててしまうのは、大きなロスです。
「仕事ができない後輩」を「仕事ができる後輩」に育てるか、「仕事ができない後輩」を仕事ができないまま使い捨てるのか。そこに人間力が問われています。
つづく