働く女性を応援す仙台情報サイト「Me」

はじめての託児で知った、息子と母の心の成長

離乳食教室へ行くことになり、2時間ほど息子を保育園の先生たちに預けることになった。生まれて7か月、息子にとって初めての託児だ。

まだ人見知りらしい反応が出ていない息子ではあったが、親でもない初対面の先生と大勢のお友達の中で、果たして取り乱すことなく長時間遊んでいられるだろうか?と不安になってしまう。もしも母恋しさで泣き出してしまったら…なんて思わず託児直前に、胸に詰まるものを感じてしまった私。

離乳食教室のさいちゅうも話はしっかり聞いているつもりだし手を動かしているのだが、その頭の片隅には愛するわが子が悲しそうな顔で泣いている、いつかの記憶が蘇ってしまう。気づけば遠くから赤ん坊の泣き声が。あれはわが子じゃなかろうか…。(いくら母親でも、遠くで泣く赤ちゃんが自分の子どもなのか他人の子どもなのかまでは、さすがに聞き分けることができないようで、悲しい)

2時間たって、離乳食教室が終了!さあ息子よ!大好きなお母さんが、今から迎えにいくよー!!と託児室は隣にあるのに小走りになってしまうこの親心。息子はきっと寂しさで、目にいっぱい涙をためているに違いない!

と思っていたら、行って見てあ然。そこには保育士のお姉さんとイチャついている息子の楽しげな姿が。おもちゃに囲まれ、女性にチヤホヤされ、仲間に混ざってずんずん室内をハイハイで闊歩している喜びに満ち溢れた息子の背中を見て、親はなくても子は育つという言葉を身を持って知った。私が声をかけて近寄ると、息子は軽く振り向いて「なに?もう終わったの?もっとゆっくりしても良かったのに~」とでも言っているような表情。なんだかな…。

こんな調子で将来だって、息子は子離れなんてあっという間にできちゃうもので、やはり最後に残るのは母親である私の未練なんだろうな、と。その日は大変切ない気持ちで帰路についたものである。

この記事を書いた人
齋藤 惠
2015年8月から執筆活動を開始。 専業主婦として家事と子育てが生活のメイン。合間にのんびりとコラムを書く毎日。 金融機関に勤めていたことから金融知識や社会保障についての執筆・取材依頼が多い。 他にも恋愛、結婚、育児、旅行など執筆ジャンルは多岐にわたる。
トップへ戻る