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探究心が止まらない!暴走男児に母はタジタジ…

ずりばいができるようになった息子は、近頃ますます目が離せない。

ほうっておくと思わぬ距離まで移動するようになってからは、息子ひとりを部屋に残してトイレにもいけないくらいだ。さらに、親のすることや持ち物に関心が出はじめてきたので、油断すると料理中にキッチンまで侵入してきたり、テーブルに手をのばして物を取ろうとしたりするから、親は息子に危険が及ばぬようあらかじめ先手を打たねばならない。親と子どちらが先に気がつくか、毎日が真剣勝負だ。先日は息子の昼寝中につい自分まで隣でうたた寝をしてしまい、先に起きた息子から、うっかり手元に置いたままの文庫本を舐めちぎられてしまった。慌てて飛び起きた私は、息子が紙くずを飲みこんでいないことを確認し、ぐちゃぐちゃになった本のカバーを捨てた。無防備なところに本を置いた母の完全敗北だ。祖父母から買ってもらったおもちゃがたくさんあるはずなのに、それよりも今は日常的に親が使っているもの、うちの中のまだ行ったことのない場所を開拓することに息子は燃えているようで、気を移そうとおもちゃを与えてもあまり効果はない。

しかし、あれもダメこれもダメでは息子もストレスがたまるだろうと思い、時間に余裕があるときは「のびすく」(仙台市の各地にあるひろば)に連れていったり、開放されている保育所にいったりするのだけれど、そこは人見知り真っ盛りで内弁慶な息子。大勢の子どもたちの中に放り込むとかちこちに固まってしまうのだ。おもちゃがほしくても手をのばす勇気はなく、広い空間を闊歩するでもなく、「えらいところへ連れて来られた」と言わんばかりの必死さで私に抱っこをすがる。それではここへ来た意味がないじゃないか、と私はすぐに抱っこした息子を放すのだけれど、今度は緊張し疲れてしまったのかその場ですーすーと寝てしまった。やれやれ。

仕方なしに自宅へ引き返して来た私たち。息子は車の中でも相変わらず夢の中。家に帰っても、このまましばらくお昼寝かな、と思いきや。布団へ寝かせた途端、すくっと顔を上げ目を見開く息子。お、起きたー!!ここが家だと認識した息子は、すかさず「やんちゃスイッチ」をオンに切り替える。そして、さっきまで泣きすがっていた母親になんて目もくれず、キッチンの備蓄棚へ一直線。保存食として常備しているレトルトカレーやら切り餅やらを好奇心のおもむくままにはり倒し、カップのインスタントみそ汁を小脇に抱えて私のもとへ帰って来た…。

息子よ、楽しかったかい?(にやりと微笑む息子)そうかい、よかったね。でもさ、ついでに外でもこれくらいはしゃげば、毎日がもっと楽しくなると思うんだよ。

この記事を書いた人
齋藤 惠
2015年8月から執筆活動を開始。 専業主婦として家事と子育てが生活のメイン。合間にのんびりとコラムを書く毎日。 金融機関に勤めていたことから金融知識や社会保障についての執筆・取材依頼が多い。 他にも恋愛、結婚、育児、旅行など執筆ジャンルは多岐にわたる。
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