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確信!渡る世間は親バカばかり

初めての子どもというのは可愛いものだ。誰が何と言おうと、わが子が世界で一番である。

子どもと関わっていると、月齢の近いよそのお子さんとも頻繁に出会う。どの子ももちろんそれぞれ可愛らしいけれど…すみませんね、やっぱりうちの子が一番可愛いと思っています、本気でっ!!表ではよその子にも挨拶ついでに「可愛いね~♪」なんて言うのだけれど、重ね重ねごめんなさい、とんだ社交辞令である。わが子以上の天使はどこを探したっていない!と本当は声を大にして言いたい。こんな気持ちを、きっとどの親もみーんな持っているんだろうなぁ。

その表れとして、私も大好きインスタグラムには、わが子の写真を軒並み堂々とアップするママさん&パパさんたちがいることいること。正直私もそんな人気インスタグラマーさんたちに憧れて、ちょいちょい息子の後ろ姿などをアップしたりはしているが、やってもその程度である。ただしSNSには載せずとも、日中、ひとり密かに息子の写真をジャンジャン撮っていて、その可愛い瞬間を!二度とない一瞬を!決して逃すまいとデジカメ片手に血眼になる日々を送っている。将来、息子がグレたときには、この撮りだめた写真を眺めて心を癒そうかと、ほの暗い動機を抱えながら。(※楽しく撮っています)

…とまあ、産みの親ですらこれほど重度のバカが付いてしまうのだから、これが初孫を見るじぃじ&ばぁばともなれば、ひいき目度150%の病的祖父母バカと化すのは仕方がないことだ。この間なんて息子の100日記念にスタジオで写真を撮ってもらうことになったとき、よその子が映っているサンプル写真をちらちら見ては「うちの○○の方が、絶対…ね」と漏らしていた実家の両親。しまいにゃ、「この子とうちの子の写真、交換できないのかしら~」って…わかる。わかるよ、その気持ち!母である私だってそう思ったさ!だけどそこをひた隠しにせず言えちゃうところがさすがです。私はまだその域には達していない。これからママ友との付き合いも始まることだし、本音はお口にチャックが鉄則だからさ。

ちなみにうちの場合は、曾祖母が健在で、さらに近所に住む叔母一家までが熱烈な息子の取り巻きなので、山形へ帰ろうものなら息子はかつての韓流スターなみの大歓声で迎えられる。わけもわからず帰省したとたん、あらゆる方面から熟女たちの熱視線を浴びて、息子はいつもどことなく狼狽えているようにも見える。祖父母、曾祖母、叔父叔母と、全員まとめてバカばっか。みんなしてやれ笑えの、抱かせろの、しゃべってみろだの、本人の気持ちはお構いなしに好き放題。そんなピエロ状態ともいえる息子に対し「赤ちゃん稼業も大変だねよぇ…」とかわいそうに感じつつ、「でもやっぱりこれは可愛いお前さんの宿命だから、精いっぱい愛嬌ふりまいて!ほらほら、もっと笑顔で頑張んなさい!」と目を細め、結局、共犯として加担する母なのであった。

この記事を書いた人
齋藤 惠
2015年8月から執筆活動を開始。 専業主婦として家事と子育てが生活のメイン。合間にのんびりとコラムを書く毎日。 金融機関に勤めていたことから金融知識や社会保障についての執筆・取材依頼が多い。 他にも恋愛、結婚、育児、旅行など執筆ジャンルは多岐にわたる。
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