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いつでもどこでも繋がれる!ママ同士の絆は強し!

ある日、息子がぐずってしまい何をしてもメソメソと泣き止まないことがあった。こんなときは大抵、外出をすると気が紛れることが多い。私は家の中でやりたいこともあったが、いつまでも息子に泣かれては何もできないので作業の手を止めて外出を決行!ちょうど食料の買い出しも必要だったので、近所のショッピングセンターへ行ってみた。

子ども用のカートに揺られているうちに、次第にウトウトしていった息子。買い物開始30分後にはスヤスヤ寝てくれた。やった!ふいに訪れた絶好のボーナスチャンス!こんな時間は滅多に訪れないので、買い物もそこそこにカフェでまったりと、私はつかの間の休息を楽しむことにした。ママになると自分のための時間がとにかく少ない。ましてや出産前まではなんとも思わなかった、コーヒーを飲みつつボーっとする時間がこんなにも貴重で安らげるものだったとは。

息子の寝顔を眺めながらケーキとコーヒーを満喫していると、近くで赤ちゃんの泣き声が聞こえる。このときの時間は15時すぎ。どうやら忙しくてお昼を食べそこなったママが子どもをベビーカーに座らせて、急いで遅めのランチをしている模様。でも、赤ちゃんは泣いちゃって、ママは心穏やかにランチを味わえていない模様。ああ、この光景、他人事ではないなぁ…。

同情とか仲間意識とか、細かいことは考える間もなしにその親子の隣へ近寄ってみた私は、気がつけば「元気いっぱいですね。何歳ですか?」とランチ中のママに訪ねていた。そのママは最初、恥ずかしいところを見られたような困った顔をしていたけれど、丁寧に「9ヶ月です」と答えてくれた。よく見るとそのママの息子くんは、つかまり立ちができるようで、私が声をかけたときにはベビーカーを抜け出してソファーでよちよち歩きをしていた。好奇心も旺盛で自我も芽生えはじめて、一瞬たりとも目を離せない年頃だ。そんな9か月の子どもの育児は、5か月の子を持つ今の私以上に気力体力を消耗することだろう。最初はせっかくの自由時間を邪魔しちゃったかなとも思ったけれど、実際に声をかけてみるとママたち特有の意思疎通の速さによってすぐに打ち解けることができた。

私とそのママが一緒にすごした時間は30分弱くらいだっただろうか。その短い間に、私たちには一人になれる時間が全くないこと、いつも子どもが寝た隙を狙ってかき込むようにご飯を食べていること、買い物へ行っても出発から大荷物なので肝心の商品を多くは買って帰れないことなど、共通の苦労話で盛り上がった。こういう愚痴をママ同士でこぼし合うのもたまにはいい。別れ際、「いきなりお声掛けして失礼しました」と私が言うと、そのママは「いえいえ。逆にうちの子の相手までしてもらって、おかげでゆっくり楽しい食事ができました」と言ってもらえた。もとはと言えば私の押しかけだったのに、優しいな。

育児教室などでママ友をつくるのもいいけれど、私はこういう自然につながったご縁のほうが好きだ。一期一会のママ友会だったけれど、買い物のついでに心も軽くなり、帰宅後もまた家事育児を頑張れる。ママの日常って、不意に訪れる確かな絆で支えられているものなのだ。

この記事を書いた人
齋藤 惠
2015年8月から執筆活動を開始。 専業主婦として家事と子育てが生活のメイン。合間にのんびりとコラムを書く毎日。 金融機関に勤めていたことから金融知識や社会保障についての執筆・取材依頼が多い。 他にも恋愛、結婚、育児、旅行など執筆ジャンルは多岐にわたる。
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