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SIDS(乳幼児突然死症候群)がこわい

生後間もない子どもを育てていると、その華奢な身体と小さい手足、よれよれとつながっている首などにおののくことが何度もある。「折れないだろうか?」「変な方向に曲げていないだろうか?」「過度な力を加えていないだろうか?」と、まるでウン億もする国宝級の壺を扱うように気をつけなければいけない。むしろ子どもは物よりも大切な命だ。こんな繊細な生き物を十月十日自分のお腹のなかに入れて、過去の私は寝返りをうったり車を運転したりしていたのかと思うと、それこそ冷や汗ものだ。

息子を育てるにあたって、気をつけなければいけないことについては事前に育児本やネットでさんざん調べた。こういう場合、あまり無駄な知識をつけて神経質になるのもどうかと思ったが、子どもの命にかかわることなので知らないよりは知っておいた方がよいだろうと感染症から重度の疾患まで一通り名前だけは頭に入れておいた。

だいたいは普通に子育てをしていれば心配いらないものばかりだが、そんな中でもこれは恐ろしいな、と私が感じているのがSIDS(乳幼児突然死症候群)。窒息などとは別の要因で子どもが寝ている間に息を引き取ってしまうという謎の病気だ。というかこれは病気という問題ではなく、発覚した時点ですでに手遅れなのだから防ぎようがないじゃないか!というのが一番の厄介どころ。すやすや寝ていると思った子どもが急に冷たくなっているなんて、わが子のことを想像しただけで身の毛がよだつ。しかも、詳しい原因やメカニズムが未だに判明していないというから…おいおいWHO!(または厚生労働省!)もっと頑張って真相解明に全力をあげてくれと言いたくなる。一方でアメリカ独自の研究によると、うつぶせ寝が良くないとか、タバコがだめとか、寝具での暖めすぎが原因とか、母乳育児が良いとか、その他いろいろな報告(いずれもまだ研究途中のよう)があるようなので、できるかぎり片っ端から取り入れている。

SIDS以外でも、妊娠届を出せばもらえる仙台市の「たのしねっと」という冊子に、1~11か月の子どもが気をつけなければいけない病気について書かれてあるので、私はそれを参考にしている。また、子どもの病気に特化した医学書も持っている。いずれも何気ないときにぱらぱらと呼んでおけば、いざと言うときに慌てずに済むかなと思っているので、現在の私の愛読書だ。

夜中だって気が気じゃない。いつの間にか布団をかぶっていないか、呼吸は苦しそうじゃないか、ミルクを吐き出していないか…。夜ごと2,3時間起きに心配しているような始末。そのときの息子はいつだって可愛い寝息をたてているけれど、何かあったら困るのでこちらはなかなか寝付けない。授乳時間が安定してきた今でも、まだまだ寝不足状態だ。

子育てはただでさえ手さぐり状態なので、ましてや常に病気を恐れてびくびくしていては赤ちゃんも親もお互いの身が持たないし窮屈だ。わかってはいるのだけれど。

「這えば立て、立てば歩めの親心」という言葉があるが、這うことができるのも歩くことができるのも、それ以前に子どもが生きながらえて健康であってこそなのだ。子育てビギナーということもありちょっとしたことで過剰に反応してしまいがちだけれど、やはり万が一にそなえて最低限のケアはおこたりたくない!なにか起こってから後悔したくない!これもまた、どうしようもなく強い親心なのである。

この記事を書いた人
齋藤 惠
2015年8月から執筆活動を開始。 専業主婦として家事と子育てが生活のメイン。合間にのんびりとコラムを書く毎日。 金融機関に勤めていたことから金融知識や社会保障についての執筆・取材依頼が多い。 他にも恋愛、結婚、育児、旅行など執筆ジャンルは多岐にわたる。
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