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虐待から目を背けない…自分が加害者にならないために知っておくべきこと(2)

厚生労働省が定義する、児童虐待は以下のとおりとなっています。(引用元:http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/dv/about.html

身体的虐待 … 殴る、蹴る、叩く、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞める、縄などにより一室に拘束する など

性的虐待 … 子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る又は触らせる、ポルノグラフィの被写体にする など

ネグレクト … 家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かない など

心理的虐待 … 言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう(ドメスティック・バイオレンス:DV)、きょうだいに虐待行為を行う など

こうして見ると、かなり広域で“虐待”が定義されているのがわかると思いますが、私たちが親になり、虐待の加害者にならないために、ということで、前回に引き続きご紹介したいと思います。

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【間違った…では済まされない!?難しい教育】

“子供を育てる”というのは大変なことです。自分が子供だった頃を思い出してみても、あっというまだった、とは言え、その短い期間に濃縮して様々なことがあったと思います。

人格を形成する大事な時期に関わる親の責任は重大です。そのため、成人後のその人物は、幼少期に親(または育ててくれた人)の影響を多分に受けているので、やはり“育て方でその後の人生が決まる”というのは良くも悪くも逃れることができない宿命と言えるでしょう。

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子育て期間、というのはかなりロングスパンのため、「今日蒔いた種が明日実になる」ということはありません。そのせいか、“間違いに気がつかない親、間違いを認めない親”が多いのも現状です。

しかし、たとえば“失敗したら叩く”という教育をした親が、子供を頻繁に叩いて育てた場合、その子供もまた“叩くことが常識”として育つかもしれません。

では、その子供が成人後に、赤の他人を「失敗を理由に叩いて、暴力で逮捕された」場合はどうなるのでしょうか。間違った常識を信じて育った子供に非があるのでしょうか。

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子育ても仕事と同様で、「一生懸命やったからと言って、間違っていいということではない」ものです。

もし、お医者さんが手術をして失敗してしまい、患者が死んだ場合、「死んじゃったけど、頑張って手術したから私は悪くありません」と言っても、きっと許されないでしょう。何らかの形で責任を取ることになると思います。

子育てや教育も、すぐに結果は出ないので間違いは表面化しにくいものではありますが、上記のお医者さんと同じく、責任を放棄することはできません。

そのため「これでいいのかな?」と子育てに悩んだり、いろんな情報を取り入れて精査したり、人の意見を聞き入れる、という“迷い”はあって当然ですし、正解が見つからないものかもしれません。

ただ、一番怖いのは「私は絶対に正しい!この子育てに自信がある!」と、絶対的な自信を持って突っ走ってしまうことではないかと思います。

(3)へつづく

この記事を書いた人
福永知世
1983年青森市生まれ、宮城学院女子大卒。福永緑丸名義で共著『怪談実話コンテスト傑作選 痕跡』(メディアファク トリーMF文庫)がある。http://milkgraph.web.fc2.com/
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