以前、私が勤めていた会社にも、こんな上司がいました。「心が弱いからうつ病なんかにかかるんだ!根性が足りないんだ!」
これを鵜呑みにして、「そうか、私も心が弱いからうつ病になるんだ」と肩を落とした人が何人かまわりにいました。けれど、うつ病はそんな精神論ではなく、列記とした疾患です。
精神疾患は、ときに根性やメンタルの強さなどと混同されてしまいがちですが、そうではありません。
今回は、そんなうつ病になる人・ならない人の違いについてご紹介します。また、あわせてこちらの記事(http://www.skincare-univ.com/article/008729/)もご参考ください。
1、うつ病はココロではなく脳
うつ病になってしまうのは、本人が何か悪いことをしたからではありません。また、「ココロ」などという目に見えないものの問題より、“脳の機能の不具合”と言った方が正しいでしょう。(http://utsu.ne.jp/learn/cause/cause_01.html)
誰だって、眠れないくらい忙しい毎日を過ごしたり、食事もろくにとれない環境下にいれば体調を崩しますが、そのとき、内臓以外に、脳もダメージを受けていることだってあります。
「職場が変わった」「引越しをした」などという環境の変化や、「上司に怒られた」「失恋をした」などのショックを受けたとき、「ココロが」ではなく「脳が」衝撃を受けています。
その衝撃によって、脳内の伝達物質の分泌に変化が現れることだって、ありうることです。
「そんなことで落ち込むなんて」と思われることもありますが、それは本人の意思で落ち込んでいるのではなく、脳内の伝達物質の分泌が変化したことによる“落ち込み”かもしれません。
2、うつ病に向かわせるのは環境と考え方
では、うつ病は「なる人・ならない人」がいるのか、と言えば、そうではありません。“絶対うつ病にかからない人”は、この世にいません。
いるのは、運良くかからなかった人と、運悪くなってしまった人だけです。「うつ病じゃない状態」というのは、奇跡的にバランスがとれている状態を保てている人です。
交通事故にあわない、みたいなもので、誰だって道路を歩いていれば車が突っ込んでくる可能性があるように、そのバランスが朝起きたら崩れていた…ということは、十分起こりえます。
さらに、うつ病に“なりやすい人”がいます。それが、マイナス思考の考え方を持つ人であったり、感受性が強い人、また極度の緊張を強いられる仕事をしているなどの環境の問題を持つ人です。
誰もが同じ安定した精神状況であればいいですが、それがかなわない人もいます。仕事上、辛い立場に身を置く人もいるでしょう。
感受性の強い人は、人よりも皮膚が薄いような感じですから、ちょっとしたことに傷ついてしまうこともあり、マイナス思考の人は悪い状況をさらに悪化させることがあります。
3、うつ病にならない人になる
春先、季節の変わり目はとくに危険で、生活環境の変化もさることながら、温度や湿度の変化に、自分では気がつきませんが体は反応しています。
今日はうまく行っても、明日うまくいくとは限らない。「絶対大丈夫!」と過信している人ほど、「うつ病なんて」と馬鹿にしています。
うつ病にならないためには、(マイナス思考をやめることなかなか難しいとは思いますが)しっかり寝て、しっかり食べ、体を動かし、楽しい時間を過ごしたり、リラックスするなどの規則正しい生活をすることです。
絶対ならない、とは言い切れませんが、「夜更かしする」「睡眠時間が足りない」「ずっと緊張しっぱなし」などの環境を作ってしまうと、自分からうつ病になりに行くようなものです。
この不安定な季節を乗り切るためにも、美味しいものを食べ、ゆっくり眠る、という心地よい生活を心がけましょう。