悩みを抱えた家族・友人の力になりたい。でも、どうやって?間違った対応で悪化させてしまったら、と考えると、うかつな言葉もかけられません。
カウンセラーではないし、問題を解決してあげられるわけでもない。と、遠くから見守っているだけでは、どんどん落ち込んでいくその人を、ただ見ているだけになってしまいます。
うつ病や自殺が増える現代、家族や友人を支えるのは、身近な存在であり、それはあなたかもしれません。
前回まで、「悩みを共有すること」「話を聞き出すこと」についてご紹介しました。今回は、「話を聞く姿勢」についてお話したいと思います。
1、相手の言葉を復唱する
誰かに話を聞いてもらうとき、どういう反応が返ってきたら「ああ、聞いてもらえているな!」と実感するでしょうか。
「うん、うん、そうなんだ、へえ」でしょうか。それとも「まあ、いいんじゃない?」でしょうか。「そうなんだ!でもさ!」と話を切り返されると嫌な気分にもなるかもしれません。
“話を聞いてもらっているという実感”を与える方法は、ズバリ「復唱」です。
たとえば、「昨日、歩いてたら転んじゃってさ」という話も、「ふーん」と聞き流せば、まるでのれんに腕押ししたような手応えのない状態。
しかし「昨日転んじゃったんだね」と返すと、話し手も「そうなのよ!」と、ぐっと“聞いてもらえた”という実感を得ることができます。
2、同意ではなく客観的に受け止める
カウンセラーの「聴く技術」としても、復唱は使われています(http://nayamisoudannokotu.seesaa.net/category/20511726-1.html)。相手に話をさせるためには、まずこちらの聴く姿勢がなけれないけないからです。
さらに、単に機械的に復唱するだけではなく、また話し手の主観に感情的な同意をせず、それらの話を客観的に受け止めなければなりません。
たとえば、「Aちゃんに馬鹿と言われて悔しかった。Aちゃんだって馬鹿なのに。私は悪くないもん」という話を聞いた場合。
「Aちゃんが馬鹿だ」ということに同意してはいけません。それはあくまで話し手の主観です。ここで見る部分は、あくまで“Aちゃんに馬鹿にされて悔しかった”という点。
そのため、復唱する部分は「馬鹿にされて悔しかったんだね」となります。この時点で、誰が悪い・悪くない、という内容は、客観性を欠きます。
また、話を聞いている段階で自分の意見を挟むのは「聴く姿勢」ではないので、話し手には、言いたいことを思う存分言ってもらう、ということに徹するといいでしょう。
(4)へつづく。