第一回では「リスク回避」、第二回で「草食化した男」、第三回で「生活水準」についてのお話をしました。第四回では、「失敗できない」についてお話したいと思います。
「出会いがない!」と言っている人の多くは、「次の恋で幸せになりたい」と思っていると思います。それもそのはず、「この人と付き合ったら失敗するよ」とわかりきった相手とは恋愛したくありません。
しかも、女性が女として輝ける期間は(ある意味)有限ですから、すでに火曜サスペンスのように崖っぷちで追い込まれた犯人みたいな状態です。
これは、20代でも40代でも同じことが言えて、誰しもが常に「後がない!」という錯覚に落ちています。この崖っぷちは、見せかけのハリボテ(CG?)だったりします。
そんな崖っぷちに立たされた気分のままであれば、「選べないまま飛び降りる」という選択をする女性も少なくありません。
1、失敗する余裕がない
日本の新卒制度に関して「変じゃない?」と海外から言われることは度々あるようですが、確かに大学を卒業して、新卒で良い企業に入ることが王道、みたいなシステムって不思議です。
これって言い換えれば、「馬鹿にされたくなかったら、新卒で間違いのない企業に入らないとマズイよ」と言われている、ということになります。
中途採用も就職浪人も、負け組に分類されます。いかに能力があって、企業に貢献できる人材だったとしてもです。
そういう崖っぷちに立たされる機会が多い我々は、恋愛や結婚においても崖っぷちに立っています。自分の年齢や仕事のこと。親や友人たちとの兼ね合いから「これを最後の恋にして、さっさと結婚しなければ!」と思うのです。
当然、一発本番、失敗はできない、という舞台に立たなければならず、(実際はそんなに緊張する必要はないのに)いらぬ焦りを感じてしまいます。
2、出会わない人々
よく考えてみると、結婚した人々は、出会った瞬間に「この人と結婚しよう!」と思って付き合い始めているわけではありません。
多くは「まあ、付き合ってみてもいいなあ」くらいのノリで付き合って、最終的には結婚しているパターンをよく聞きます。
しかし、崖っぷちに立たされた社会人女性は、“これが最後のチャンス”なので、失敗するわけにはいかず、「まあいいかな」というノリではダメなのです。
「この人でなければ!」という人を探してしまいます。すると、いくら探してもいません。なぜでしょうか。
結婚は愛だ、という人がいますが、それはあながち否定できません。というのも、いくら好条件で巡りあった男女であっても、条件だけで結婚すると別れることはあります。
見知らぬ男性と出会って、条件がいいから結婚しましょう、ということよりも、昔馴染みの男友達と友情が愛情に変わったパターンの方が、長続きする場合もあるでしょう。
「最後のひとり」を、一生懸命、見知らぬ男性の中に探しても、見つかりません。また、重要なことばかりを見ようとして、小さな可能性を見落としている限り、それらは出会いに発展しません。
まずはたくさんの人と知り合いになって、人を深く掘り下げてみないと、付き合う相手にちょうどいいのか、よくわかりません。しかし、いろんな男性を深く掘り下げるための時間はありません。
この「時間がない」けれど「失敗もできない」の板挟みになっている女性たちは、結局、出会いがないまま時間だけが過ぎて行きます。
第三回←→第五回へ続く。