仕事をする女性がネックに感じているのは、どんな点でしょうか。とくに、人間関係や自分の印象の持たれ方に気を使っている人は多いと思います。
嫌われないように、みんなと上手に距離感を持って…という感じでしょうか。しかし、人に嫌われないようにとは言っても、「その逆のことをしている」人は多いものです。
今すぐ使える行動心理学ということで、第一回は「アンダードック効果」、第二回は「ツァイガルニク効果」、第三回は「ハロー効果」、第四回は「ブーメラン効果」についてご紹介しました。今回は「一貫性の原理」についてご紹介したいと思います。
1、一貫性の原理
みんな誰だって人には嫌われたくないですよね。良い印象を持ってもらいたい。そういう場合、もちろんポジティブな意味で「きれいだね!」とか「真面目だね!」と言われることもあります。
でも、それをお世辞と受け取って「いやいや!そんなそんな!」と否定してしまうのが日本人の悪い癖。
しかも「そんなことないの!私なんて寝相は悪いしガサツだし、全然ダメな人間なの!」などと自分から宣言していませんか?
これは「一貫性の原理」という点からみると、とても残念なこと。というのも、人は「私って●●なんだよね」と発言してしまったことに一貫性を持たせようとします。
「私は優しい人なの」と言えば、その後はその人は優しい人間になろうしようとします。つまり、「私はダメ人間なの」と言ってしまうことによって、自分で自分をダメ人間にしようとしてしまうのです。
2、他人にも、自分にも「有言実行」
口で言ったことが本当になる、なんてことがあるわけではありませんが、もし言うだけで本当にそうなるなら、ちょっと試したいと思いませんか?
「私って●●なんだよね」と発言したことに一貫性を持たせようとする、という原理を応用すれば、ネガティブな自分を変えることができるかもしれませんし、周囲にも前向きな姿勢を印象付けることができます。
ためしに「私って散らかってるの嫌いなんだよね」と言ってみれば、自分の部屋も掃除せずにはいられなくなります。
「私って結構、嫌なことはすぐ忘れるタイプなんだよね」と言えば、嫌なことはすぐ忘れる人になれるかもしれません。
ちょっとしたことですが、他人に対しても自分に対しても、良い方向での有言実行で、ポジティブな自分を作っていきましょう。
(6)へつづく。