働く女性を応援す仙台情報サイト「Me」

うちの子、まさか将来ニート!子供の将来は親で決まるの?(4)最終回

子供の将来の可能性は無限大!かと言って、ほっといて勝手に育つというのでもないですし、過干渉はよくない。

友人ともよく話すのは「代わりにやってあげた方が早い」とか、「見ているとひやひやする」というもの。それでもじっと耐えて見守ることが親の役目、と知っているのですが、うまくいきません。

ひきこもりの28歳、Mさんは、料理もできなければ、洗濯もすべて親がやってくれました。通院も親の車で送り迎え。友達と遊ぶことを制限されていたので、親と一緒にいる時間ばかり増えました。

親の言葉がすべてと思い込み、親に褒められるためだけに生きていた、と言います。

「親の言葉がおかしい、ということには薄々気がついていたけど、反論すれば居場所がなくなると思って何もできなかった。それは今も同じ」

28歳になった今も、まだ親から褒められることに期待して生きていると言います。

YUKI86_kamihuse-n15141519_TP_V

1、自分で決断できる子供へ

AかBか、道を選択して、間違っていたら泥にドボン、というクイズ番組があります。親はまるで、それを遠くから見ているので、正解も不正解も知っていて、我が子には答えを教えてあげたい、という気分かもしれません。

ところが、正解が存在するクイズと違って、人生において正解というのはありませんし、あったとしても知るすべがありません。

親は「あ、そっちは不正解かも知れない!」と思ったとしても、口をつぐんでいなければならないのです。

だからと言って、我が子が不正解で泥にドボンしても「ほらな!だから不正解だと思ったんだよ!」とか「どうして正解を選べないんだ!」などとは言ってはいけません。

それは本人が一番よくわかっていますし、その事実を誰より噛み締めているのは本人だからです。

人生は自分で決断して、自分の決断に自分で責任を持っていかなければなりません。親であってもそれは変わってやることができません。

親が代わりに決断してやることは、子供のお金を親が使い込むことと同じです。この人生というギャンブルは、自分のお金を自分に賭けるのが原則なのです。

GAK63_himawari_TP_V

2、この先分からない…からこそ

今の子供たちが夢見る職業が「ユーチューバー」だと聞いて、びっくりしましたが(そもそもユーチューバーって職業なの?)、時代はよくわからない方向に今も流れ続けているんだな、と実感します。

我が家も子育て中で、はっきり言って「どうしよう」の連続で、今の子育てが正解かどうかもわかりません。

ただ、実践しているのは、「子供を子供として扱わず、ひとりの人間として尊重すること」と、「小さなことでも何度でも褒める」ということです。

0I9A357215032110iine2_TP_V

28歳のMさんのように、親の考えを押し付けると、親の求めた形にもなれず、自分の形すら失って、いびつな心になり、毎日生きているだけでも辛い、というのを聞いて、やはり子育てを甘く見てはいけないな、と思います。

親が子供の将来を決めてあげる、ということはできませんが、子供が自分で決断して進む道が、犯罪など人の道を外れていない限り、全力で見守ることが唯一親ができることなのでは、と思います。

この記事を書いた人
福永知世
1983年青森市生まれ、宮城学院女子大卒。福永緑丸名義で共著『怪談実話コンテスト傑作選 痕跡』(メディアファク トリーMF文庫)がある。http://milkgraph.web.fc2.com/
トップへ戻る