子供の将来の可能性は無限大!かと言って、ほっといて勝手に育つというのでもないですし、過干渉はよくない。
友人ともよく話すのは「代わりにやってあげた方が早い」とか、「見ているとひやひやする」というもの。それでもじっと耐えて見守ることが親の役目、と知っているのですが、うまくいきません。
ひきこもりの28歳、Mさんは、料理もできなければ、洗濯もすべて親がやってくれました。通院も親の車で送り迎え。友達と遊ぶことを制限されていたので、親と一緒にいる時間ばかり増えました。
親の言葉がすべてと思い込み、親に褒められるためだけに生きていた、と言います。
「親の言葉がおかしい、ということには薄々気がついていたけど、反論すれば居場所がなくなると思って何もできなかった。それは今も同じ」
28歳になった今も、まだ親から褒められることに期待して生きていると言います。
1、自分で決断できる子供へ
AかBか、道を選択して、間違っていたら泥にドボン、というクイズ番組があります。親はまるで、それを遠くから見ているので、正解も不正解も知っていて、我が子には答えを教えてあげたい、という気分かもしれません。
ところが、正解が存在するクイズと違って、人生において正解というのはありませんし、あったとしても知るすべがありません。
親は「あ、そっちは不正解かも知れない!」と思ったとしても、口をつぐんでいなければならないのです。
だからと言って、我が子が不正解で泥にドボンしても「ほらな!だから不正解だと思ったんだよ!」とか「どうして正解を選べないんだ!」などとは言ってはいけません。
それは本人が一番よくわかっていますし、その事実を誰より噛み締めているのは本人だからです。
人生は自分で決断して、自分の決断に自分で責任を持っていかなければなりません。親であってもそれは変わってやることができません。
親が代わりに決断してやることは、子供のお金を親が使い込むことと同じです。この人生というギャンブルは、自分のお金を自分に賭けるのが原則なのです。
2、この先分からない…からこそ
今の子供たちが夢見る職業が「ユーチューバー」だと聞いて、びっくりしましたが(そもそもユーチューバーって職業なの?)、時代はよくわからない方向に今も流れ続けているんだな、と実感します。
我が家も子育て中で、はっきり言って「どうしよう」の連続で、今の子育てが正解かどうかもわかりません。
ただ、実践しているのは、「子供を子供として扱わず、ひとりの人間として尊重すること」と、「小さなことでも何度でも褒める」ということです。
28歳のMさんのように、親の考えを押し付けると、親の求めた形にもなれず、自分の形すら失って、いびつな心になり、毎日生きているだけでも辛い、というのを聞いて、やはり子育てを甘く見てはいけないな、と思います。
親が子供の将来を決めてあげる、ということはできませんが、子供が自分で決断して進む道が、犯罪など人の道を外れていない限り、全力で見守ることが唯一親ができることなのでは、と思います。