子育て中のお母さんも、まだ出産前のお母さんも、自分の子供の将来については何かと心配ですよね。
我が家も絶賛子育て中ですが、今から既に「働きたくない。ずっと家にいたい」などと言っており、先行き心配です。
何より子育てにおいて不安なのは、「今言った私の一言が、この子の将来を左右するのでは?」という、責務の重さです。
人はなぜか、褒められたことよりも「叱られた、理由もなく八つ当たりされた、蔑ろにされた」という記憶の方が残りやすく、いつまでもネチネチ記憶しているものです。
もし間違った一言ひとつで、子供の心が歪んでしまったら…と考えると、とても恐ろしいことです。
では、そのような子供の将来について、どのように育てていけば本人の求める道をまっすぐ進めるようになるのでしょうか。
1、親の希望と本人の意思
これは私個人の話ですが、私の両親は私をなんとか“まともな仕事”に就かせたいようでした。資格でもとって、安定した仕事に就き、結婚して子育てする、という感じです。
しかし、私はずっと幼い頃から絵が好きで、まんがが好きで、暇さえあれば紙に絵を描いて遊んでいました。
親はそこから遠ざけようと、まんがを読むのを禁止し、テレビも制限し、絵を描く時間も奪いました。デザイン関係の仕事に行く、という夢も頭から否定されました。
結局、許されたのが活字だけだったので、今度は小説などを読みあさっていくうち、文学系の大学に入りました。
就職もうまくいかず、契約社員であちこち転々としていましたが、結局戻ってきたのがデザインや文章の仕事でした。
好きなことを仕事にする、というのは大変難しいことです。生半可な気持ちではお金になりませんし、それを続けて生活していくのは苦しいことです。
ただ、いろいろ阻害されても結局回り回って「自分にできるのはこれしかない」と戻ってきてしまった私の経験上、親があれこれ「あんたはこれをやりなさい」と根回ししたところで、そのとおりにはならない、ということを知っています。
安全そうな道、というのは存在しますが、その道がその人のものでない場合、結局引き戻すか、途中から違う道を進まなければならない、と考えると、子供の意思を否定しても、得することは何もないのかもしれません。
2、失敗も挫折も財産
子供には失敗の経験も、挫折の経験も味わって欲しくない、と親は考えます。自分が苦しい思いをしてきたのなら、尚更です。
何かの試合では、勝ってほしいと思いますし、ほかの子に負けるな、とも思うでしょう。ただ、もし大人になって、100回も200回も転職して、それで何か得られるのであれば、その失敗は財産になります。
本人の「負けたくない」という気持ちは大事ですが、周囲から「負けるなよ」「絶対勝てよ」というのは、ただの圧力にしかなりません。
周囲の大人は「負けても勝っても、頑張っておいで」と見守る姿勢。そこから本人が安心して「勝ちたい!」と思える環境を作るためには、親の「こうなってほしい!」という主張は、不要だと思います。
(2)につづく。