第一回で「長女とそれ以外の人の違い」、第二回で「長女が不器用になった原因」、第三回では「長女は奴隷化されている」、第四回では「長女がほしいもの」、第五回で「長女であることの利点を生かす」についてお話しました。
長女であることは、ある側面から見ると大変不幸にも思えますが、実のところ「中身のないスカスカな人が口先だけで幸せになる」ことよりずっと深い幸福を手に入れることができると思います。
童話「アリとキリギリス」のように、“地道に努力した者は報われる”ような、培ってきた経験は裏切らないということを、全身で表現できるのは、ほからなぬ第一子長女ではないでしょうか。
今回は、「長女が自分に自信を持つ」についてお話したいと思います。
1、数値化できる自信
第一子長女を、手放しで「ずごいね!」と褒めても「いいえいいえ!そんなそんな!」と謙遜する人が多いのですが、実際それは謙遜ではなく、“自分でもそんなにすごいと思っていない”場合が多いです。
たとえば、親の手伝いをして、山ほどあった洗濯物を洗って乾かして畳んで片付けたとします。これは、一切やったことにない人にしてみればすごいことです。
しかし、完璧を求められている本人は、「やることが当たり前」であって、できないことは許されませんし、これに慣れてしまうと「すごいこと」ではなくなります。
残念ながら、いくらすごいことでも“数値化する”ということができない場合、本人は自覚できません。“家事”などはその典型です。
そのため、第一子長女が自分に自信を持つためには、とにかく数値化できることで成果を上げていくことが重要です。
資格の勉強をして受験し、取得するとか。また、語学を学んでテストで点数を上げていく。もしくは、誰もがわかる形で賞をとるなど。
「私ってなんにもできない人間だ」と思ったときに、「何言ってんの!この数値は実力でしょ!」と目に見えて証明されている形を作るといいでしょう。
2、褒められることよりも
誰かに褒められることは、とても嬉しいことです。しかし、「私なんか…」と思っている人は、むしろ褒められることが苦痛かもしれません。
そのような“周囲の評価”から、一旦離れることも重要です。人からの評価は、実はひとつも正しいものはありません。
みんなが自分の主観で物事を捉えていますから、「あなたって〇〇な人ね」というのは、あくまでその人個人の感想にすぎません。
たくさんの人に褒められたからどうだ、ということでもなく、否定する人がいるから全部間違っているということでもありません。
みんなそれぞれの考えがあって、そのどれもが「正しい」とも「間違っている」とも言えないのです。
そのような不安定で曖昧な“他人の評価”に耳を貸してはいけません。自分の自信を認めるのは、自分自身ですから、他人から褒められても喜ばず、けなされても動じない気持ちが大事です。
長女ゆえに周囲とのバランスを考えてしまいがちですが、表面上は笑って過ごして、心はニュートラルでいられるように、眠る前の静かなひとりの時間を大事にしましょう。
(7)へつづく。