以前、私の知り合いが中途採用で入った企業で、通勤手当支給と書かれてありながら、その手当はなく、「仕事で使う車は持ち込み、ガソリン代は自己負担、交通費支給なし」と、採用されてから言われて辞めた、ということがありました。
それ以外にも、「月給〇万円」と書いてあって、いざ仕事をはじめて見ると、会社から品物を個人で買い取って販売するという事業委託形式だった、なんてことも。
違法である場合も、違法でない場合も、ハローワークで出されている求人に偽りがあったり、雇用者の負担が大きすぎることは、疑問に思って正解です。
ブラック企業に入ってしまい、そこで慣れてしまうと「当たり前」になってしまいますが、ちょっとでもおかしいと感じたら相談してみることが大事です。
1、研修期間中は無給?騙されないで
騙す側の企業は、詐欺師のように言葉巧みに被雇用者を騙します。さも当たり前の顔で、「世間では常識だよ」とか「前の会社ではどうだったか知らないけど」とか「君は無知なだけだよ」と言います。
企業に入ってしまうと、どうしても「自分は新人だ」と思うので、言われたことを吸収しなければ、と思ってしまいがちですが、「上司が言っていることに違和感を覚えた」のなら、その気持ちは捨てないでください。
ある企業では、「我社は試用期間中は研修生なので、お給料は出ません!」ときっぱり言い切っているところもあるそうです。
「へえ、そうなんだ」と思ってしまえばそれまで。試用期間と言えども、“仕事を覚える”ことも仕事のうちなので、お給料は出ます。
いくら企業側が「これは常識だ」「おかしいのは君の方だ」と言ったとしても、まずは自分ひとりで判断せずに周りに相談することをおすすめします。
2、仕事に必要な資格は自己負担?
ある企業では、「仕事に必要な資格を取ってもらわなければならない」と指導した上で、「資格取得の経費は自己負担だ」と言ったそうです。
これは、労働基準法に違反するもの(http://www.roudousha.net/private/040_qualif.html)であり、業務に必要な資格は、企業側の全額負担が基本です。
企業側は「うちはそうやってきたよ」と言ったり、先輩や上司が「私もそうやってきた」と言えば、その場の空気に流されてしまいそうですが、違反は違反です。
セクハラやパワハラなど、わかりやすい出来事があれば、相談する機会もあるかもしれませんが、このようなことは「いいや、私が我慢すればいいだけだし」と、自己負担してしまうことがあると思います。
労働基準法を守ることは、企業側の義務であって、雇われた個人が泣き寝入りするものではありません。
小さなことでも、それは氷山の一角である可能性が高いので、我慢しないで相談しましょう。仙台市内で相談窓口をお探しの方は、こちらをチェックしてみてくださいね(http://www.city.sendai.jp/sumiyoi/keizai/rodo/0479.html)。