妊婦さんや子連れママを見ると羨ましくなる!そう思っている女性は多いようです。前回は、不妊治療中の女性に向けてのお話でした。
しかし、どうやらそういった“不妊治療中”の女性だけでなく、結婚をしていない若い働く女性の間でも、この嫉妬は起こっているようです。
まだ結婚もしていない、妊娠・出産を予定もしていない若い女性が、妊婦さんを見て嫉妬心を覚えるのでしょうか。
1、幸せの象徴
以前、こんな話が話題になりました。「マタニティーマークをつけていると、あからさまに嫌悪感を示されたり、足を踏まれるなどの嫌がらせを受ける」というもの。こちらの記事もご参考に(http://papimami.jp/11868)。
しかも、年配の方は気遣ってくれたり、男性のサラリーマンなども優しくしてくれるのですが、同年代の若い女性が嫌悪感を示す、という事案が多い、というのが特徴。
これらは、嫉妬心の表れで「妊婦は迷惑」だとか「妊婦だからって何様のつもり?」という不特定多数の人に向けた怒りを、目の前にたまたまいた妊婦さんにぶつけている、という状況でしょう。
この裏側には、結局のところ「私だって結婚して仕事やめたいよ」とか「赤ちゃんができて幸せいっぱいって感じですか?こっちは苦しいのに!」という自己中心的な考えが根底にあるような気がします。
妊婦さんは、言ってみれば“幸せの象徴”で、人生の幸せのピークを迎えた状態、というイメージ(人それぞれで実際はそうでもない場合も多い)が強いため、いじめの標的になりやすいのです。
2、あっち側・こっち側
では「もし、自分が妊娠した女性の立場である、と仮定して、赤の他人の若い女性から罵倒されたら、どんな気分でしょう」
…というような質問をしても、上記で妊婦いじめをするような若い女性は、きっと想像もできないのかもしれません。
自分が一番大事で、自分のことしか考えていなくて、自分のためになら他人を犠牲にするような人は、きっと立場が変わって、自分がいじめられる側になる、なんて想像もできないのです。
でも、可能性はないわけではありません。結婚・妊娠・出産に関しては、誰もが今後どのようになるか予期できないことかもしれません。つまり、あっち側・こっち側、と線を引いても、簡単に立場は逆転してしまう可能性がある。
「子供の泣き声がうるさい!黙らせて!」と叫んでいる女性が、いざ妊娠・出産を経て子育てを始めたら、知らない誰かから「泣き声うるさい!黙らせて!」と言われる側の立場になる。
同じ人間同士なのですから、“他人事”と思って切って捨てることはできません。何事も明日は我が身。誰かを理解することは、誰かに理解されることに繋がります。
(7)へつづく。