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私も…もしかして?大人の発達障害と女性の生き方(6)

なんだか周囲の人と違う気がする…これって、もしかして私も?なんとなく生きづらさを感じている大人の女性は多く、発達障害の可能性もゼロではありません。

前回は、発達障害の生活と仕事についてご紹介しました。今回は、発達障害と子育てについてお話したいと思います。

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1、お母さんが大人の発達障害だった

前回までのお話で、「女性は結婚して子供を産んでから発達障害に気が付くケースが多い」とご紹介しました。

なぜ発達障害に気づくのが遅くなるのか、と言えば、まず自覚がないこと。そして、周囲との比較をしないこと。そして、大人になって、結婚・出産・再就職によって「自分が周囲と違う」とはっきり自覚するからです。

そのため、大人の発達障害を抱えて、子育てに奮闘する女性も多くいます。また、それが発達障害だと気がつかないまま子育てしているお母さんもいるでしょう。

最近だと「片付けられない女性」が取り上げられる機会が増えましたが、それも発達障害の一種で、本人は症状に自覚がない、もしくは「やらないだけ」「疑問にも思わない」ので、問題視されないことから気づかれないまま大人になるケースがあります。

では、「そんな女性に子育てなんかできない」と完全に否定することができるでしょうか。また、発達障害の女性に、家事や子育てを任せることは危険だ、と言えるでしょうか。

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2、大人の発達障害と子育て

発達障害にも様々な症状があり、軽度重度と様々です。たとえば、上記のように、片付けられない女性が母親になって、散らかった部屋の中で育った子供は片付けを知らないまま育つでしょうか。

また、時間に厳しいマイルールを持つ人が、子供が思ったとおりの時間で動かないことに対して腹を立てることもあるかもしれません。

臨機応変な対応ができない人が、突然のスケジュール変更や、子供の体調不良にうまく対処できない、ということもあるでしょう。

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しかし、子育てというのは、密室で母親がひとり黙々と行うものではありません。母親が発達障害であることが、その子供にどのような影響を及ぼすのかは、誰もわかりませんが、完璧な親に育てられた子供が完璧に育つとは限りません。。

父親や祖父母、兄弟や友人関係。母親以外の人から学ぶことも多く、また母親の失敗を見たからこそ学ぶものも大きいのではないかと思います。

そのため、「発達障害の女性は子育てしてはいけない」とか「子供がかわいそう」と言えるはずもなく、やはり「子育ては社会でするもの」として、周囲の人がバックアップすることも大切だと思います。

ただし、母親が自身の発達障害に気がつかず、子供に八つ当たりするなどの行動があることは、見捨てることはできません。

母親も父親も、発達障害の疑いがある場合は、自分の行動を見直し、自覚することが重要です。無自覚に子供の心を傷つけるようなことは、あってはならないことです。

(7)へつづく。

この記事を書いた人
福永知世
1983年青森市生まれ、宮城学院女子大卒。福永緑丸名義で共著『怪談実話コンテスト傑作選 痕跡』(メディアファク トリーMF文庫)がある。http://milkgraph.web.fc2.com/
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