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私も…もしかして?大人の発達障害と女性の生き方(4)

誰もが「もしかして私も?」と不安になったことがあるのではないでしょうか。前回まで、発達障害の大まかな概要、そして周囲の理解についてご紹介してきました。

今回は「女性特有の発達障害」についてご紹介したいと思います。現在も、発達障害を抱えて元気に活躍している女性はたくさんいます。

さらに、女性の場合多いのは、社会人になって結婚して子育てをして、さらに再就職という過程で、だいぶ後になってから気が付くパターンです。

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1、女性の多動は頭の中?

以前、ツイッターのつぶやきでもいくつか見かけたのですが、「女性のADHD(注意欠陥多動性障害)の場合、子供の多動のような落ち着きがない状態が、表面上ではなく、水面下で起こっているのでは」というもの。

多動は、たとえば教室で黙って椅子に座って授業を受けることができない子供、のような症状を指します。じっとしていられないのです。

しかし、この多動は女性の場合、頭の中で起こっていることがある、というのです。意識があちこちに飛ぶ。目の前のことに集中できない。突然思い立って行動する。同時に様々なことをしようとする、など。

これは自分では気が付けないこともあるかもしれません。やかんを火にかけたまま、テレビもラジオをあちこちつけっぱなしで、突然部屋の掃除を始めたり。これを家族から指摘されて初めて気がついた、という人もいます。

女性と男性とでは、同じ障害でも表に出るものが違うようで、もしかしたら「発達障害のセルフチェックをしても当てはまらない、けど症状がある」みたいな場合もあるかもしれません。

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2、女性の発達障害

女性は男性よりもコミュニケーション能力が高い人が多いと言われていて、女性の方がおしゃべりが得意だったり、新しい環境に馴染むのが得意だったりします。

女性が発達障害に気づくのが遅くなる原因として、この“女性としてのスキルが高い”ことが、うまく発達障害を隠してきたから、と言えるかもしれません。

たとえば、一般的に発達障害の人は接客業が向かないと言われていますが、女性であれば元々おしゃべりそのものが苦でない場合、人と接することに苦手意識を持たないでしょう。

仕事の端々で様々な弊害があったとしても、「接客業そのものが苦手」と認識しないまま過ごす人も多いと思います。

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また、発達障害の人は職場の人間関係で悩むことが多いのですが、症状を上回る女性としてのスキルがあり、職場環境に恵まれていれば、なんの問題もなく過ごすことができます。

つまり、女性にとって発達障害は、生活する上でも仕事をする上でも、男性に比べてカバーできる部分が多く、“苦手な部分”さえはっきりわかれば、対処次第で悩みなく生活することも可能だと言えるでしょう。

(5)へつづく。

この記事を書いた人
福永知世
1983年青森市生まれ、宮城学院女子大卒。福永緑丸名義で共著『怪談実話コンテスト傑作選 痕跡』(メディアファク トリーMF文庫)がある。http://milkgraph.web.fc2.com/
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